フクロウは、大きな目と、音のしない飛行を持つ夜の狩人です。ワシやタカと同じ猛禽(もうきん)の仲間で、世界に200種以上がいます。首がぐるりと回ることや、幸運を招く縁起物として知られます。頭に飾り羽のある「ミミズク」も、フクロウの仲間です。
分類と学名
分類階層
- 界:動物界 Animalia
- 門:脊索動物門 Chordata
- 綱:鳥綱 Aves
- 目:フクロウ目 Strigiformes
- 科:フクロウ科 Strigidae/メンフクロウ科 Tytonidae
和名・英名
- 和名:フクロウ(漢字で「梟」)
- 英名:Owl
グループの成り立ち
フクロウの仲間は、世界に200種以上がいます。大きく「フクロウ科」と「メンフクロウ科」の2つに分かれます。南極をのぞく世界のほとんどの地域にすみ、夜の森を中心に暮らします。日本にも、フクロウ・アオバズク・コノハズクなど、さまざまな種がすんでいます。
大きさ・分布などの基本データ
| 大きさ | 手のひらほどの小型種から、体長70cmを超える大型種まで |
|---|---|
| 種類 | 世界に200種以上 |
| 分布 | 南極をのぞく世界各地 |
| 生息環境 | 森・草原・農地など |
| 食べもの | 肉食(ネズミ・小鳥・昆虫・カエルなど) |
| 寿命 | 野生で10年前後(大型種はより長い) |
夜の狩人の体

音もなく飛ぶ
フクロウは、ほとんど音を立てずに飛べます。羽の風切羽(かざきりばね)のふちが細かいギザギザになっていて、空気の乱れをおさえます。羽の表面もビロードのようにやわらかく、飛ぶ音を吸い取ります。この静かな飛行のおかげで、獲物に気づかれずに近づき、暗闇でしとめられます。羽のふちのギザギザの仕組みは、新幹線のパンタグラフの音を静かにする工夫にも取り入れられました。
大きな目と、270度回る首
フクロウの目は、顔の正面に大きく並んでいます。人の何倍もの光を集められ、わずかな星明かりの下でもよく見えます。この目の配置で、暗い中でもものを立体的にとらえ、距離を正確につかめます。ただし、目は筒のような形で頭に固定され、人のように目だけを動かせません。そのかわり、首を左右に約270度も回して、まわりを見わたします。「首が一回転する」といわれることがありますが、実際は270度ほどで、一回転はしません。
顔で音を集める
フクロウの平たい顔は、「顔盤(がんばん)」と呼ばれ、皿のように音を集めて耳へ送ります。多くの種では、左右の耳の高さが少しずれています。このずれのおかげで、音がとどく時間のわずかな差から、獲物のいる方向と高さを正確につかめます。まっ暗な中でも、地面を動くネズミの音だけをたよりに狩りができます。
種類で違う鳴き声
フクロウの鳴き声は、種類によって大きく異なります。日本のフクロウは「ゴロスケホーホー」と鳴き、アオバズクは「ホッホー」とくり返します。オスとメスが鳴き交わし、なわばりを示したり、相手を呼んだりします。夜の森にひびく声は、姿が見えなくても、そこにフクロウがいるしるしです。
フクロウとミミズクの違い

「フクロウ」と「ミミズク」は、同じフクロウ目の仲間です。見分けるポイントは、頭にある飾り羽です。頭の左右に、耳のように見える羽の束を持つものを「ミミズク」と呼びます。この飾り羽は「羽角(うかく)」と呼ばれ、耳ではありません。本当の耳は、羽毛の下にかくれています。羽角のないものを「フクロウ」と呼び分けています。ミミズクは、この羽角を立てたり寝かせたりして、まわりのようすに反応することもあります。ただし、この区別は日本語だけのもので、英語ではどちらも Owl です。
フクロウの種類

フクロウの仲間には、姿も大きさもさまざまな種がいます。手のひらに乗る小さな種から、羽を広げると2m近くになる大きな種までいます。
- シロフクロウ……北極圏にすむ、白い羽のフクロウ。昼にも活動します。
- ワシミミズク……大きな羽角を持つ、最大級のフクロウの仲間です。
- メンフクロウ……ハート形の白い顔を持つ、世界に広く分布する種です。
- アオバズク……夏に日本へやってくる、身近なフクロウの仲間です。
- コノハズク……日本で最小級のフクロウ。「ブッポウソウ」と鳴く声で知られます。
- フクロウ(ウラルフクロウ)……日本の森にすむ、羽角のない代表的な種です。
暮らしと、縁起物の文化

木の穴で子を育てる
多くのフクロウは、木のうろ(穴)や、ほかの鳥の古い巣を使って子を育てます。卵は白くて丸く、ふつう3〜4個産みます。ヒナは白いわた毛におおわれて生まれ、親が運ぶえさで育ちます。フクロウは獲物を丸のみするため、消化できない骨や毛は、口から「ペリット」と呼ばれるかたまりにして吐き出します。地面に落ちたペリットを調べると、そのフクロウが何を食べたかが分かります。大人のフクロウをおそう天敵は多くありませんが、より大きな猛禽や、群れで立ち向かうカラスに追われることもあります。
幸運を招く鳥
日本では、フクロウは縁起のよい鳥とされてきました。「フクロウ」の名が「不苦労(苦労しない)」や「福来郎(福が来る)」に通じるとされ、幸運の象徴として親しまれます。首がよく回ることから、「お金に困らない」とも言われます。西洋でも、フクロウは知恵の象徴として大切にされてきました。近年は、フクロウとふれあえるカフェも各地にでき、その人気は高まっています。夜に活動する不思議な姿は、昔から人の関心を集めてきました。
参考
- Wikipedia(英語版)「Owl」(分類・静かな飛行・視覚と聴覚・ペリット)
- IUCN Red List(フクロウ各種の分布と保全状況)
- Animal Diversity Web「Strigiformes」(形態・生態・行動)
画像出典
サムネイル画像: Rhododendrites, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons


