ヤドクガエル【総合】

カエル類

ヤドクガエルは、中南米の熱帯林にすむ、色あざやかな小さなカエルの仲間です。目を引く派手な色は「毒があるぞ」という警告で、皮膚から出す毒で身を守ります。青いコバルトヤドクガエルをはじめ、赤・黄・緑と、種によって色とりどりです。

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分類と学名

分類階層

  • 界:動物界 Animalia
  • 門:脊索動物門 Chordata
  • 綱:両生綱 Amphibia
  • 目:無尾目 Anura
  • 科:ヤドクガエル科 Dendrobatidae(16属・約200種)

和名・英名

  • 和名:ヤドクガエル(科の仲間の総称)
  • 英名:Poison dart frog

大きさ・分布などの基本データ

大きさ体長 約1〜6cm(多くは小型)
分布中南米の熱帯林
種類ヤドクガエル科 約200種(16属)
食べもの由来のアルカロイド(飼育下では無毒)
代表種コバルトヤドクガエル/モウドクフキヤガエル 等

ヤドクガエルとは

中南米の小さな毒ガエル

ヤドクガエルは、中南米の熱帯林にすむ「ヤドクガエル科」というグループのカエルたちです。仲間はおよそ200種が知られています。体長は種によって1〜6cmほどと小さく、多くは昼間に活動します。あざやかな色は、敵に「自分は危険だ」と知らせる警告色です。だからこそ、隠れずに堂々と地面を歩きまわれます。

毒は食べもの由来

ヤドクガエルの毒は、自分の体で作るものではありません。餌にするアリやダニなどに含まれる成分(アルカロイド)を、体にため込んで武器にしています。そのため、毒のもとになる虫がいない環境で育った飼育下の個体は、毒を持ちません。これはヤドクガエルの仲間に共通する大きな特徴です。

いろいろなヤドクガエル

青い宝石――コバルトヤドクガエル

全身が目の覚めるような青色をした、ヤドクガエルの代表格です。飼育下では無毒になることや、オスが背中でオタマジャクシを運ぶ子育てなど、見どころがたくさんあります。詳しくは下のページで紹介しています。

コバルトヤドクガエル
コバルトヤドクガエルは、南米にすむ、目の覚めるような青色の小さな毒ガエルです。飼育下では毒を持たなくなることや、オスがオタマジャクシを背負って運ぶ子育てで知られます。分類と学名分類階層界:動物界 Animalia門:脊索動物門 Chorda...

名前どおりの色をした仲間たち

赤いイチゴヤドクガエル、黄色い帯のキオビヤドクガエル、金色のモウドクフキヤガエル。名前が色や姿を表す種がたくさんいます。同じ「ヤドクガエル」でも、色や模様は種によってまるで違います。

なかでも、赤い体に青い脚のイチゴヤドクガエルは、下のページでくわしく紹介しています。

イチゴヤドクガエル
イチゴヤドクガエルは、中央アメリカの熱帯雨林にすむ、体長2cmほどの小さなヤドクガエルです。真っ赤な体に青い脚という、まるでイチゴのような色から名づけられました。皮膚には食べもの由来の毒を持ち、そのあざやかな色は「危険だぞ」という警告です。...

「矢毒」という名前の由来

「ヤドク(矢毒)」という名前は、中南米の先住民が吹き矢の毒にカエルの分泌物を使ったことに由来します。実際に矢毒として使われたのは、主にフキヤガエル属(Phyllobates)の数種です。なかでもモウドクフキヤガエルは、世界でもっとも強い毒を持つ動物の一つとされ、その名がつきました。

卵とオタマジャクシの子育て

多くのヤドクガエルは、水の中ではなく陸の湿った場所に卵を産みます。そして親が卵のそばに残り、乾かないように世話をします。卵からかえったオタマジャクシは、親の背中に乗せてもらい、木のくぼみや葉にたまった小さな水場まで運ばれます。小さな体で手をかけて子を育てるのも、この仲間の見どころです。

動物園で会える? ペットにできる?

動物園・水族館で会える

日本でも、各地の動物園や水族館の両生類コーナーで飼育・展示されていることがあります。小さくて色鮮やかなので観察しやすく、ヤドクガエルの仲間は展示でも人気です。静岡の体感型カエル館「KawaZoo(カワズー)」や、サンシャイン水族館(東京)などで、色とりどりの姿を見ることができます。

ペットとしても飼われている

ペットとして飼育・繁殖され、専門店などで流通しています。出回る個体の多くは飼育下で殖やされた無毒の個体です。飼育下では、ショウジョウバエやごく小さなコオロギなどの生き餌を与えます。ただし体が小さく繊細で、温度や湿度など環境づくりに気を配る必要があります。

意外な豆知識

飼うと毒が消える

毒が食べもの由来なので、毒のもとになる虫がいない飼育下では、毒を持たなくなります。同じ種でも、育った場所で危険度がまるで変わるのがヤドクガエルの面白いところです。

世界最強クラスの毒を持つ仲間も

モウドクフキヤガエルの毒は非常に強く、ごく少量でも危険とされます。その量は、10〜20人分の致死量にあたるともいわれます。ただし、毒に耐性を持つ一部のヘビには、食べられてしまうこともあります。それでいて、その毒もやはり食べものからの借りものだと考えられています。小さな体に強い毒、という組み合わせが、ヤドクガエルを一躍有名にしました。

カエルという生き物そのものについてはカエルのページもどうぞ。

参考

  • AmphibiaWeb:ヤドクガエル科 Dendrobatidae の解説(毒・分布・多様性)
  • Wikipedia(英語版)”Poison dart frog”(種数・毒・矢毒・天敵)

画像出典

アイキャッチ画像: Brian Gratwicke, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons

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