ウサギは、長い耳と大きな後ろ足を持つ草食動物です。名前は似ていても、ネズミの仲間ではなく、「ウサギ目」という別のグループに入ります。世界に70種以上がいて、野生のものからペットの品種まで、姿はさまざまです。
分類と学名
分類階層
- 界:動物界 Animalia
- 門:脊索動物門 Chordata
- 綱:哺乳綱 Mammalia
- 目:ウサギ目(重歯目)Lagomorpha
- 科:ウサギ科 Leporidae ほか
- 代表種:アナウサギ Oryctolagus cuniculus(ペットの祖先)
ネズミの仲間ではない
ウサギは、かつてネズミと同じ仲間に分けられていました。しかし今では、まったく別の「ウサギ目」というグループにまとめられています。大きな違いは前歯にあります。ネズミの上の前歯は2本ですが、ウサギはそのすぐ後ろにもう2本の小さな歯があり、合わせて4本です。和名はウサギ、英名は Rabbit で、地上で暮らす大型のなかまは Hare(ノウサギ)と呼ばれます。
大きさ・分布などの基本データ
| 大きさ | 体長 約20〜50cm(種や品種で差が大きい) |
|---|---|
| 種類 | 世界に70種以上 |
| 分布 | 南極をのぞく世界各地(人が持ちこんだ地域もふくむ) |
| 生息環境 | 草原・森・農地など |
| 食べもの | 草食(草・葉・木の皮など) |
| 寿命 | 野生で1〜5年ほど/ペットでは8〜12年ほど |
体のつくり

長い耳の役目
ウサギの長い耳には、2つの大切な役目があります。1つは、遠くの小さな音まで聞き取り、近づく天敵にいち早く気づくことです。もう1つは、体温の調節です。耳には細い血管がたくさん通っていて、暑いときにはここから熱を外に逃がします。ウサギは汗をあまりかけないため、この耳が体を冷やす役目をはたします。耳の向きは、そのときの気分によっても変わります。
逃げるための体
ウサギは、多くの動物にねらわれる立場です。そのため、体は逃げることに向いています。目が顔の横につき、ほぼ360度の広い範囲を見わたせます。強い後ろ足でいきおいよく跳ね、方向を素早く変えながら天敵をまきます。前歯もおくの歯も一生のび続け、かたい草をすりつぶしても、すり減ってなくなりません。
ウサギとノウサギの見分け方

「ウサギ」と「ノウサギ」は、よく似ていますが、暮らし方が異なります。アナウサギは、地面に穴をほって群れで暮らします。赤ちゃんは毛のない目を閉じた姿で、巣穴の中で生まれます。いっぽうノウサギは、地上で1頭ずつ暮らします。赤ちゃんは毛が生えて目も開いた状態で生まれ、すぐに走れます。ノウサギのほうが体が大きく、耳や後ろ足も長い傾向があります。ペットのウサギは、このうちアナウサギを飼いならしたものです。
ウサギの種類

野生のウサギ
野生のウサギには、次のような仲間がいます。
- アナウサギ……穴を掘って群れで暮らす。ペットのウサギの祖先です。
- ノウサギ……地上で1頭ずつ暮らす。日本の山野では、ニホンノウサギがよく見られます。
- ナキウサギ……高い山の岩場にすむ、耳の短い小さなウサギです。
また、日本の奄美大島と徳之島には、アマミノクロウサギがすんでいます。原始的な特徴を多く残す「生きた化石」で、国の特別天然記念物に指定された、貴重なウサギです。
ペットのウサギ
ペットのウサギは、すべてヨーロッパのアナウサギから生まれた品種です。人が長い年月をかけて改良し、今では数百もの品種があります。よく知られる品種には、次のようなものがあります。
- ネザーランドドワーフ……手のひらに乗るほど小さい、人気の品種です。
- ロップ……耳が長く、たれ下がっているのが特徴です。
- アンゴラ……毛が長くふわふわで、その毛が利用されることもあります。
暮らしと繁殖

ふんを食べて栄養をとる
ウサギは草だけを食べますが、草は消化しにくい食べものです。そこでウサギは、1度出したやわらかいふん(盲腸便)を、もう1度食べます。腸の中でつくられたこの盲腸便には、栄養がたっぷりふくまれています。二度消化することで、少ない草からしっかり栄養を取り出します。ふだん見かけるころころした固いふんとは、別のものです。
すばやく増える
ウサギは、とても速く数を増やす動物です。おなかの中で子を育てる期間は約30日と短く、1度に1〜12匹の子を産みます。しかも、出産の直後にまた妊娠できます。多くがねらわれて命を落とすため、たくさん産むことで数をたもっています。危険が近づくと、後ろ足で地面を強くたたく「足ダン(スタンピング)」で、仲間に知らせます。
「寂しいと死ぬ」という俗説
科学的な裏づけはない
「ウサギは寂しいと死んでしまう」という話をよく聞きますが、これには科学的な裏づけはありません。寂しさそのもので死ぬわけではないと考えられています。ただし、ウサギはもともと群れで暮らす社会的な動物で、環境の変化や不安に弱い一面があります。大きなストレスがかかると体調をくずすことはあるため、静かで落ち着ける環境が大切にされます。
目を開けて眠る
また、ウサギは目を開けたまま眠ることができます。少しの物音でも起きて逃げられるようにするためです。反対に、まわりが安全で安心しきっているときには、体を横にたおしてごろりと寝ることもあります。この寝すがたは、飼い主に気を許しているサインだといわれます。
参考
- Wikipedia(英語版)「Rabbit」(分類・ウサギとノウサギ・繁殖・消化)
- IUCN Red List(ウサギ各種の分布と保全状況)
- Animal Diversity Web「Leporidae」(形態・生態・行動)
画像出典
アイキャッチ画像: William Warby, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons(本文中の写真は各キャプションに出典を記載)


