ウサギ【総合】

ウサギ目

ウサギは、長い耳と大きな後ろ足を持つ草食動物です。名前は似ていても、ネズミの仲間ではなく、「ウサギ目」という別のグループに入ります。世界に70種以上がいて、野生のものからペットの品種まで、姿はさまざまです。

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分類と学名

分類階層

  • 界:動物界 Animalia
  • 門:脊索動物門 Chordata
  • 綱:哺乳綱 Mammalia
  • 目:ウサギ目(重歯目)Lagomorpha
  • 科:ウサギ科 Leporidae ほか
  • 代表種:アナウサギ Oryctolagus cuniculus(ペットの祖先)

ネズミの仲間ではない

ウサギは、かつてネズミと同じ仲間に分けられていました。しかし今では、まったく別の「ウサギ目」というグループにまとめられています。大きな違いは前歯にあります。ネズミの上の前歯は2本ですが、ウサギはそのすぐ後ろにもう2本の小さな歯があり、合わせて4本です。和名はウサギ、英名は Rabbit で、地上で暮らす大型のなかまは Hare(ノウサギ)と呼ばれます。

大きさ・分布などの基本データ

大きさ体長 約20〜50cm(種や品種で差が大きい)
種類世界に70種以上
分布南極をのぞく世界各地(人が持ちこんだ地域もふくむ)
生息環境草原・森・農地など
食べもの草食(草・葉・木の皮など)
寿命野生で1〜5年ほど/ペットでは8〜12年ほど

体のつくり

光にすかしたウサギの長い耳
光にすかすと、耳の中の血管が透けて見える(Горбунова М.С., CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons)

長い耳の役目

ウサギの長い耳には、2つの大切な役目があります。1つは、遠くの小さな音まで聞き取り、近づく天敵にいち早く気づくことです。もう1つは、体温の調節です。耳には細い血管がたくさん通っていて、暑いときにはここから熱を外に逃がします。ウサギは汗をあまりかけないため、この耳が体を冷やす役目をはたします。耳の向きは、そのときの気分によっても変わります。

逃げるための体

ウサギは、多くの動物にねらわれる立場です。そのため、体は逃げることに向いています。目が顔の横につき、ほぼ360度の広い範囲を見わたせます。強い後ろ足でいきおいよく跳ね、方向を素早く変えながら天敵をまきます。前歯もおくの歯も一生のび続け、かたい草をすりつぶしても、すり減ってなくなりません。

ウサギとノウサギの見分け方

茶色いウサギ
野生のウサギに近い体色の個体(Горбунова М.С., CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons)

「ウサギ」と「ノウサギ」は、よく似ていますが、暮らし方が異なります。アナウサギは、地面に穴をほって群れで暮らします。赤ちゃんは毛のない目を閉じた姿で、巣穴の中で生まれます。いっぽうノウサギは、地上で1頭ずつ暮らします。赤ちゃんは毛が生えて目も開いた状態で生まれ、すぐに走れます。ノウサギのほうが体が大きく、耳や後ろ足も長い傾向があります。ペットのウサギは、このうちアナウサギを飼いならしたものです。

ウサギの種類

白いカイウサギ
ペットとして飼われる白いカイウサギ(Fabien1309, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons)

野生のウサギ

野生のウサギには、次のような仲間がいます。

  • アナウサギ……穴を掘って群れで暮らす。ペットのウサギの祖先です。
  • ノウサギ……地上で1頭ずつ暮らす。日本の山野では、ニホンノウサギがよく見られます。
  • ナキウサギ……高い山の岩場にすむ、耳の短い小さなウサギです。

また、日本の奄美大島と徳之島には、アマミノクロウサギがすんでいます。原始的な特徴を多く残す「生きた化石」で、国の特別天然記念物に指定された、貴重なウサギです。

ペットのウサギ

ペットのウサギは、すべてヨーロッパのアナウサギから生まれた品種です。人が長い年月をかけて改良し、今では数百もの品種があります。よく知られる品種には、次のようなものがあります。

  • ネザーランドドワーフ……手のひらに乗るほど小さい、人気の品種です。
  • ロップ……耳が長く、たれ下がっているのが特徴です。
  • アンゴラ……毛が長くふわふわで、その毛が利用されることもあります。

暮らしと繁殖

ウサギの巣穴の入り口
アナウサギが掘った巣穴の入り口(Mænsard vokser, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons)

ふんを食べて栄養をとる

ウサギは草だけを食べますが、草は消化しにくい食べものです。そこでウサギは、1度出したやわらかいふん(盲腸便)を、もう1度食べます。腸の中でつくられたこの盲腸便には、栄養がたっぷりふくまれています。二度消化することで、少ない草からしっかり栄養を取り出します。ふだん見かけるころころした固いふんとは、別のものです。

すばやく増える

ウサギは、とても速く数を増やす動物です。おなかの中で子を育てる期間は約30日と短く、1度に1〜12匹の子を産みます。しかも、出産の直後にまた妊娠できます。多くがねらわれて命を落とすため、たくさん産むことで数をたもっています。危険が近づくと、後ろ足で地面を強くたたく「足ダン(スタンピング)」で、仲間に知らせます。

「寂しいと死ぬ」という俗説

科学的な裏づけはない

「ウサギは寂しいと死んでしまう」という話をよく聞きますが、これには科学的な裏づけはありません。寂しさそのもので死ぬわけではないと考えられています。ただし、ウサギはもともと群れで暮らす社会的な動物で、環境の変化や不安に弱い一面があります。大きなストレスがかかると体調をくずすことはあるため、静かで落ち着ける環境が大切にされます。

目を開けて眠る

また、ウサギは目を開けたまま眠ることができます。少しの物音でも起きて逃げられるようにするためです。反対に、まわりが安全で安心しきっているときには、体を横にたおしてごろりと寝ることもあります。この寝すがたは、飼い主に気を許しているサインだといわれます。

参考

  • Wikipedia(英語版)「Rabbit」(分類・ウサギとノウサギ・繁殖・消化)
  • IUCN Red List(ウサギ各種の分布と保全状況)
  • Animal Diversity Web「Leporidae」(形態・生態・行動)

画像出典

アイキャッチ画像: William Warby, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons(本文中の写真は各キャプションに出典を記載)

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