ネコ科【総合】

食肉目(ネコ・イヌ・クマ)

ネコ科は、ライオンやトラから、身近なイエネコまでをふくむ肉食獣のグループです。しなやかな体と鋭いツメ・牙を持ち、待ち伏せで獲物をしとめる狩りの名手です。世界に約41種が知られ、南極とオーストラリアをのぞくほぼ全ての大陸にすんでいます。

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分類と学名

分類階層

  • 界:動物界 Animalia
  • 門:脊索動物門 Chordata
  • 綱:哺乳綱 Mammalia
  • 目:食肉目(ネコ目)Carnivora
  • 科:ネコ科 Felidae
  • 亜科:ヒョウ亜科 Pantherinae/ネコ亜科 Felinae

和名・英名

  • 和名:ネコ科
  • 英名:Cat family(Felidae)

グループの成り立ち

ネコ科は、大きく「ヒョウ亜科」と「ネコ亜科」の2つに分かれます。ヒョウ亜科は吠えられる大型のネコ、ネコ亜科はのどを鳴らす中小型のネコの仲間です。私たちに身近なイエネコ(学名 Felis catus)も、このネコ亜科に入ります。つまり、イエネコとライオンは同じネコ科の仲間です。

大きさ・分布などの基本データ

大きさ最小のサビイロネコで体重 約1kg/最大のトラで300kgを超える
種類約41種(ヒョウ亜科とネコ亜科の2グループ)
分布南極とオーストラリアをのぞく、ほぼ全ての大陸
生息環境森・草原・砂漠・雪山まで、幅広い
食べもの完全な肉食(動物の肉だけで生きる)
寿命野生で10〜15年ほど(種による)

狩りに特化した体 ― ネコ科とは

トカゲをねらうイエネコ
小さなイエネコも、ネコ科に共通する狩りの本能を持つ(Basile Morin, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons)

肉食に特化した体

ネコ科の動物は、肉を食べることに体を特化させた狩人です。えものを切りさく鋭い牙と、ふだんは指の中にしまえる引っこむツメを持ちます。ツメは狩りのときだけ出すため、いつも鋭さが保たれます。しなやかで力の強い体で、獲物にそっと近づき、一気にとびかかります。強さの理由は、体の大きさだけでなく、この狩りに向いた体のつくりにあります。

すぐれた目と感覚

ネコ科の目は、人の6倍ほど光に敏感だといわれ、暗い夜でもよく見えます。長いひげは、せまい場所やえものの動きを感じ取るセンサーの役目をします。いっぽうで、あまい味を感じる力はほとんどありません。肉だけを食べる暮らしのなかで、あまさを感じる必要がなくなったためと考えられています。

ネコ科の種類

さまざまなネコ科の動物
トラからイエネコまで、ネコ科にはさまざまな種がいる(Banoviciminer, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons)

ヒョウ亜科 ― 吠える大型のネコ

ライオン・トラ・ヒョウ・ジャガー・ユキヒョウなど、大型のネコがふくまれます。のどの特別なつくりによって、「ガオー」と大きく吠えられるのがこのグループの特徴です。その多くは、生態系の頂点に立つ強い捕食者です。

ライオン
ライオンは、アフリカの草原にすむ大型のネコのなかまです。ネコの仲間でただ一種、「プライド」と呼ばれる群れをつくって暮らします。オスの立派なたてがみと堂々とした姿から、「百獣の王」と呼ばれてきました。分類と学名分類階層界:動物界 Animal...
トラ
トラは、アジアの森にすむネコ科で最大の動物です。1頭ずつがそれぞれの縄張りで暮らす、単独のハンターです。オレンジと黒の縞模様が目印で、ネコの仲間ながら泳ぎが得意なことでも知られます。分類と学名分類階層界:動物界 Animalia門:脊索動物...

ネコ亜科 ― のどを鳴らす仲間

チーター・ピューマ・オオヤマネコ・サーバル、そして身近なイエネコなど、中小型のネコがふくまれます。大きく吠えることはできませんが、「ゴロゴロ」とのどを鳴らせるのが特徴です。地上最速のチーターも、このネコ亜科に入ります。

チーター
チーターは、アフリカの草原にすむネコの仲間です。陸上でもっとも速く走る動物として知られ、獲物を追って一気に走りぬきます。ただし、その速さとひきかえに、力強さでは大型のネコにおよびません。分類と学名分類階層界:動物界 Animalia門:脊索...

日本にすむ野生のネコ

日本にも、野生のネコ科がすんでいます。長崎県の対馬にすむツシマヤマネコと、沖縄県の西表島(いりおもてじま)にすむイリオモテヤマネコです。どちらもイエネコをひとまわり大きくしたくらいの小型のネコです。生息数がとても少なく、絶滅が心配されています。

単独で狩る、なわばりの暮らし

多くは一頭で暮らす

ネコ科の多くは、一頭で暮らす単独の狩人です。群れをつくるライオンは、ネコ科では珍しい例にあたります。それぞれが広いなわばりを持ち、においや爪あとで境目をしめします。ほかの個体とは、繁殖の時期をのぞいてあまり関わりません。オスのなわばりは、複数のメスのなわばりと重なることもあります。

夜と明け方に動く

多くのネコ科は、夜や明け方に活発になります。すぐれた夜目を生かし、暗いうちに獲物へしのび寄ります。ふだんは物かげや木の上で休み、体力をたくわえます。狩りは、短い時間に力を集中させる待ち伏せ型です。追いかけっこを続けるより、一気に間合いをつめて仕留めます。

大きさと、ライオン・トラの違い

いちばん大きいのはトラ

ネコ科でいちばん大きいのはトラです。大きなオスは体重300kgを超え、ライオンよりもひとまわり大きく育ちます。大きさのおおよその順は、次のとおりです。

  • トラ(最大。体重300kg超)
  • ライオン
  • ジャガー
  • ヒョウ
  • ユキヒョウ

地上最速のチーターは、速さにすぐれるかわりに体は細く、力くらべでは大型のネコにおよびません。同じネコ科でも、種によって得意なことは大きく異なります。

ライオンとトラの暮らし方

ライオンとトラは、暮らし方が大きく異なります。ライオンは「プライド」と呼ばれる群れをつくり、アフリカの草原で暮らす、ネコ科では珍しい社会性の動物です。トラは森の中で単独で暮らし、広いなわばりを1頭で守ります。「どちらが強いか」は、条件によって変わるため、はっきりとは決められません。

豆知識

岩の上にすわるイエネコ
イエネコもライオンと同じネコ科の一員(Alvesgaspar, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons)

家で飼われるイエネコも、ネコ科の一員です。えものにしのび寄る動きや、爪をとぐしぐさは、ライオンやトラとよく似ています。小さな体に、大型のネコと同じ狩人の性質が受けつがれています。また、ネコ科のなかでチーターだけは、走るときにツメが引っこみません。地面をしっかりつかむため、いつも出たままになっています。

参考

  • Wikipedia(英語版)「Felidae」(分類・2亜科・共通の特徴・種数)
  • IUCN Red List(ネコ科各種の分布と保全状況)
  • Animal Diversity Web「Felidae」(形態・感覚・狩りの生態)

画像出典

アイキャッチ画像: Von.grzanka, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons(本文中の写真は各キャプションに出典を記載)

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