リスは、ふさふさとした大きな尾をもつ、齧歯類(げっしるい)の仲間です。木の上をすばやく動くニホンリス、地上で暮らすシマリス、空をすべるように飛ぶムササビやモモンガ。その種類はとても多く、姿もさまざまです。木の実をためこむ習性でも知られ、日本の森でも身近な動物です。
分類と学名
リスは、哺乳綱の齧歯目(げっしもく)のなかの、リス科に含まれる動物の総称です。齧歯目は、ネズミのように前歯でものをかじる動物のグループで、リスもそのひとつです。リス科には5つの亜科・約285種が含まれ、世界の森や草原に広く分布します。日本には、ニホンリスやエゾリス、エゾシマリスなどが住んでいます。
分類階層
- 界:動物界 Animalia
- 門:脊索動物門 Chordata
- 綱:哺乳綱 Mammalia
- 目:齧歯目 Rodentia
- 科:リス科 Sciuridae
和名・英名
- 和名:リス(栗鼠。リス科のなかまの総称)
- 英名:squirrel(スクワレル)
名前の由来
「リス」は、漢字で「栗鼠」と書きます。もともとは「りっそ」と読まれ、それが変化して「りす」になったといわれます。栗(くり)などの木の実を食べることと、ネズミ(鼠)に近い齧歯類であることが、この漢字にあらわれています。
大きさ・分布などの基本データ
| 大きさ | 体長7〜10cmの小型から、50cmを超え、体重5kgに達する大型まで |
|---|---|
| 分布 | 世界の森・草原(オーストラリアなどを除く)。日本各地 |
| 生息環境 | 森林・林・草原・市街地の公園など |
| 食べ物 | 木の実・種子・果実・キノコ・草など(植物食が中心) |
| 特徴 | 大きな尾。前歯(門歯)が一生のび続ける |
| 種類 | リス科で約285種。日本にはニホンリス・エゾリスなど |
リスとは — どんな動物か
リスの仲間には、共通する体のつくりや習性があります。大きな尾と、のび続ける前歯が、その代表です。
大きな尾と、のび続ける前歯
木の上で暮らすリスは、体と同じくらい長い、豊かな尾をもちます。この尾は、木から木へ跳ぶときにバランスをとる役目や、寒いときに体をつつむ役目を果たします。前歯(門歯)は上下に2本ずつあり、一生のび続けます。硬い木の実をかじることで前歯はすり減り、ちょうどよい長さに保たれます。
ほおぶくろで運ぶなかま
シマリスやジリスのなかまは、口の中に「ほおぶくろ」をもっています。集めた木の実をここにつめて、巣まで運びます。ほおぶくろいっぱいに餌をつめこんだ顔は、丸くふくらみます。木の上で暮らすリスには、このほおぶくろはありません。
いろいろなリス
ひとくちにリスといっても、暮らす場所や姿はさまざまです。リス科には、木の上・地上・空と、いろいろな場所に住むなかまがいます。
木の上で暮らすリス
ニホンリスやエゾリスは、木の上で暮らす樹上性のリスです。大きな尾で枝から枝へ跳び、木の実を食べます。ニホンリスは本州から九州に、エゾリスは北海道に住んでいます。海外から入ってきたタイワンリスも、木の上で暮らすなかまです。
地上で暮らすシマリス
背中に5本の黒い筋(しま)をもつのが、シマリスのなかまです。木にものぼりますが、おもに地上で暮らし、地面に掘った巣で過ごします。日本では、北海道にエゾシマリスが住んでいます。ほおぶくろに餌をためて運び、寒い冬には巣の中で冬眠します。

空をすべるように飛ぶリス
ムササビやモモンガも、リス科のなかまです。前あしと後ろあしのあいだに「皮膜(ひまく)」という膜をもち、これを広げて木から木へ滑空します。飛ぶといっても、鳥のようにはばたくのではなく、高い木から低い木へすべり降ります。夜に活動するため、昼間はあまり姿を見せません。
大きなリスの仲間
マーモットやプレーリードッグも、リス科の一員です。これらは地面に穴を掘って暮らす、大型のリスの仲間です。マーモットには、体重が5kgを超える種もいます。小さなシマリスから大きなマーモットまで、リス科の姿はとても幅広いといえます。
木の実をためる暮らし
木の実をためこむ習性は、リスを代表する行動です。餌の少ない冬に備えるための、リスならではの暮らしです。

餌をためる「貯食」
リスは、秋にたくさんの木の実を集めます。集めた木の実を、その場で食べるだけでなく、土の中に埋めたり巣穴に蓄えたりします。餌を蓄える、この習性は「貯食(ちょしょく)」と呼ばれます。冬に食べ物が少なくなっても、蓄えた実で命をつなぎます。
埋め忘れが森を育てる
土に埋めた木の実を、リスがすべて掘り出せるわけではありません。埋めた場所を忘れてしまうと、その実はそのまま土の中に残ります。やがて、忘れられた木の実から芽が出て、新しい木に育つことがあります。リスが木の実をためる習性は、森を広げるのにも役立っていると考えられています。
冬の過ごし方
冬の過ごし方は、リスの種類によって違います。ニホンリスやエゾリスは冬眠をせず、冬でも活動して、蓄えた餌を食べます。一方、シマリスは巣の中で冬眠し、ときどき目をさましては蓄えた餌を食べるとされます。同じリスでも、冬の過ごし方はさまざまです。
天敵
小さなリスは、多くの動物に狙われます。木の上での敵は、タカやフクロウ、カラスなどの鳥。地上では、ヘビやキツネ、クマなどが天敵になります。すばやい動きと、木の上へ逃げる力が、身を守る頼りです。危険を感じると、リスはすぐに木の上へ逃げこみます。
人とのかかわり
リスは、その姿から、昔から人に親しまれてきた動物です。一方で、外国から入ってきたリスが、問題を起こしている地域もあります。
ペットとしてのシマリス
日本では、昭和40年ごろから、シマリスがペットとして人気を集めるようになりました。小さな体とほおぶくろにためる姿が、多くの人に好まれています。ただし、リスは野生の動物としての性質が強く、飼育には相応の世話と知識が必要とされます。
外来種の問題
ペットや展示用に持ちこまれたタイワンリスが、野生化して数を増やしている地域があります。伊豆大島などでは、タイワンリスによる農作物や樹木への食害が問題になっています。もともと日本にいなかった生きものが野生化すると、在来のリスや植物にも影響をおよぼします。外来種の問題は、リスにおいても各地で起きています。
参考
- リス/リス科 Sciuridae(Wikipedia日本語版)分類・形態・生態・種類
- ニホンリス Sciurus lis(Wikipedia日本語版)分布・生態
- シマリス(各図鑑)生態・ほおぶくろ・冬眠・飼育
画像の出典
- アイキャッチ(紅葉のニホンリス):Ma2bara, パブリックドメイン, via Wikimedia Commons
- シマリス:Frank Vassen, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons
- 木の実を食べるリス(アカリス):Peter Trimming, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons


