ホーランドロップ

ウサギ目

ホーランドロップは、垂れ耳のカイウサギ品種のなかで最も飼育数の多い代表格です。オランダのブリーダー Adrian de Cock が1949年にフレンチロップ(大型垂れ耳)とネザーランドドワーフ(小型直立耳)を交配して作出した小型化垂れ耳品種で、体重は1〜1.8kg程度に収まります。丸い顔と垂れ下がる耳、短くずんぐりした体つきが特徴で、米英ではもっとも人気の高い家庭用ウサギ品種として知られます。

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分類と学名

分類階層

  • 界:動物界 Animalia
  • 門:脊索動物門 Chordata
  • 綱:哺乳綱 Mammalia
  • 目:ウサギ目 Lagomorpha
  • 科:ウサギ科 Leporidae
  • 属:アナウサギ属 Oryctolagus
  • 種:ヨーロッパアナウサギ Oryctolagus cuniculus
  • 品種:ホーランドロップ Holland Lop

和名・英名

  • 和名:ホーランドロップ
  • 英名:Holland Lop、Miniature Lop(英国では区別)

別名・品種名の由来

品種名の「Holland Lop」は原産国オランダ(Holland)と垂れ耳を意味する「Lop」の組み合わせです。分類学的にはヨーロッパアナウサギ(Oryctolagus cuniculus)の家畜化型の一品種で、他のカイウサギ品種と同じく単一の生物種の派生型にあたります。英国と米国で「もっとも人気のウサギ品種」ランキングの常連で、日本ではネザーランドドワーフと並ぶ二大人気品種の位置を占めています。

大きさ・特徴などの基本データ

大きさ体重 0.9〜1.8kg(ARBA基準:2〜4ポンド)
体型cobby(短くずんぐり)で丸い頭部
耳の長さ約12cm(アーモンド形の垂れ耳)
頭部丸い顔・大きな目・短い口吻
毛色Chocolate・Lilac・Blue・Black・Chestnut・Frosty など多数
原産国オランダ(1949年に作出開始、1955年に初完成個体)
ARBA公認年1979年(一般公開は1980年)
寿命適切な世話でおよそ7〜12年
性格非常に穏やか(very calm)で人懐こい傾向

作出の歴史 ── 大型と小型の掛け合わせ

フレンチロップとネザーランドドワーフの交配

1949年オランダで開始

本品種の作出は1949年、オランダ・ティルブルフのブリーダー Adrian de Cock によって始まりました。大型で垂れ耳のフレンチロップ(5〜7kg級)と、極小で直立耳のネザーランドドワーフ(0.5〜1.1kg)を交配し、「小さな体格+垂れ耳」という組み合わせを固定するのが目標でした。1955年に理想に近い最初の完成個体が誕生し、以降数年かけて系統が安定していきました。

体格差20倍の交配

フレンチロップとネザーランドドワーフの体重差はおよそ10〜20倍に及びます。この極端な体格差を持つ品種同士の交配で、両者の中間サイズかつ両方の特徴(小型化+垂れ耳)を持つ個体を選抜的に固定する作業は、数十年単位の育種プロジェクトになりました。1970年代までに米国へ輸出が始まり、1979年に米ウサギ協会(ARBA)が本品種を公認、翌1980年に一般公開されて世界市場に広がる形となります。

姿と体色 ── アーモンド形の垂れ耳

草地に座る茶褐色のホーランドロップ(12cmの垂れ耳)
Wikimedia Commons contributor, CC BY-SA, via Wikimedia Commons

約12cmの垂れ耳

アーモンド形の垂れ耳

本品種の最大の特徴は約12cmのアーモンド形の垂れ耳で、頭の左右から下方へ自然に垂れる構造をしています。生後3〜8週齢の間に耳が立ち状態から徐々に垂れ始め、成体になる頃には完全に垂れ耳の姿になります。ARBA基準では耳が完全に頭の両側へ垂れることが理想とされ、片耳だけ立った状態は品種標準から外れる扱いです。

cobby型の頭部と体

ブロークン模様(白と青斑)のホーランドロップ
Wikimedia Commons contributor, CC BY-SA, via Wikimedia Commons

体型は「cobby(コビー)」と呼ばれる短くずんぐりした形で、頭部が体に対して大きく見える幼形の造りです。ARBAが公認する毛色はChocolate・Lilac・Blue・Black・Chestnut・Frostyなど多数あり、ソリッド(単色)・ブロークン(斑)・シェード(濃淡)といったバリエーションを含みます。

性格と飼育難易度

ソファでくつろぐ茶白斑のホーランドロップ
Wikimedia Commons contributor, CC BY-SA, via Wikimedia Commons

本品種は「非常に穏やか(very calm)」で人懐こい気性が広く報告されており、ネザーランドドワーフより初心者に扱いやすい部類とされます。オスはメスに比べて噛む傾向が少ないという観察もあり、初めてウサギを飼う家庭で選ばれることの多い品種。ただし個体差は当然あり、環境変化への神経質さや「destructive behavior(家具・電気コードを齧る等)」の発生も報告されるため、一般的なウサギ飼育の基本ケア(適温18〜24℃・十分な運動時間・チモシー主体の食餌)は共通して必要になります。

ミニロップ・ホーランドロップ・アメリカンファジーロップ ── 垂れ耳品種の兄弟たち

ロップ品種の系統

「Lop(ロップ)」と名の付く垂れ耳品種は多数あり、本種はそのなかで小型サイズの代表格です。混同されやすい類似品種を並べると次の通り。

品種体重主な違い
ホーランドロップ0.9〜1.8kg小型・垂れ耳の代表。ARBA公認1979年
ミニロップ2.0〜3.0kgホーランドロップより一回り大きい。BRC公認1994年
フレンチロップ4.5〜7kg以上本種の親系統。大型垂れ耳の原型
アメリカンファジーロップ1.4〜1.8kg本種に長毛遺伝子を加えた長毛垂れ耳

ペットショップで「ロップイヤー」と表示された小型ウサギは、日本市場では本品種であることが多い一方、英国系のミニロップとの区別が現地表記でぶれるケースもあります。血統書付き個体はブリーダー経由での確認が確実です。

日本での流通と飼育環境

ペットショップでの位置

ネザーランドドワーフと並ぶ二大人気

日本の飼育施設で並ぶ複数のホーランドロップ(色柄違い)
Wikimedia Commons contributor, CC BY-SA, via Wikimedia Commons

日本市場では2000年代からペットショップでの流通が本格化し、現在はネザーランドドワーフと並ぶ二大人気品種として扱われています。垂れ耳の穏やかな見た目に加え、性格が穏やかで初心者にも扱いやすい点が家庭飼育向きの品種として支持を集めてきました。血統書付き個体は数万円〜十数万円、一般ペットショップでは2〜5万円ほどが目安の価格帯で、色柄や血統によって幅が大きく変わります。

飼育環境の目安

ケージの標準サイズは幅60〜80cmで、床材は柔らかいマット材が向いています。適温は18〜24℃で、ネザーランドドワーフとほぼ同じ環境で飼育される品種です。垂れ耳の内側は通気性が低く耳垢が溜まりやすいため、月1回程度の耳のチェックが健康維持の要点として推奨されています。エサはチモシー主体で、ペレット・少量の生野菜を組み合わせるのが一般的な食餌構成にあたります。

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参考

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