シュレーターペンギン(マユダチペンギン)

海鳥類

マユダチペンギンは、ニュージーランドの亜南極の島だけで繁殖する、黄色い冠羽(かんう)を持つペンギンです。名前のとおり、まゆのような冠羽をぴんと立てられるのが特徴です。卵を産むのは、世界でもバウンティ諸島とアンティポデス諸島という二つの島だけ。数が減っていて、絶滅が心配されているペンギンでもあります。冠羽ペンギンの仲間の中でも、とくに個性的な一種です。

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分類と学名

分類階層

  • 界:動物界 Animalia
  • 門:脊索動物門 Chordata
  • 綱:鳥綱 Aves
  • 目:ペンギン目 Sphenisciformes
  • 科:ペンギン科 Spheniscidae
  • 属:マカロニペンギン属(イワトビペンギン属)Eudyptes
  • 種:マユダチペンギン Eudyptes sclateri

和名・英名

  • 和名:マユダチペンギン(別名:シュレーターペンギン)
  • 英名:Erect-crested penguin(エレクトクレステッド・ペンギン)

名前の由来

和名の「マユダチ」は、まゆのような黄色い冠羽が、ぴんと立つことからついた名前です。英名のErect-crested(立った冠羽)も、同じ特徴をあらわしています。別名の「シュレーター(スクレーター)」と学名の sclateri は、この鳥を研究したイギリスの動物学者フィリップ・スクレーターにちなみます。頭に黄色いかざり羽を持つ、マカロニペンギン属(イワトビペンギン属)の仲間です。

大きさ・分布などの基本データ

大きさ体長 約50〜70cm・体重 約2.5〜6kg(オスがやや大きい)
分布ニュージーランドの亜南極(バウンティ諸島・アンティポデス諸島のみで繁殖)
生息環境岩の多い島の海岸。非繁殖期は外洋
食べ物オキアミ・小魚・イカ
寿命野生でおよそ15〜20年と考えられている
保全状況IUCN:絶滅危惧(EN)

ぴんと立った、黄色い冠羽

マユダチペンギンの立った冠羽
ぴんと立った黄色い冠羽が最大の目印。オレンジ色のくちばしも太い(C00ch, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

冠羽が立つのは、この仲間だけ

マユダチペンギンのいちばんの特徴は、目の上から後ろへのびる、黄色い冠羽です。イワトビペンギンなど、ほかの冠羽ペンギンの飾り羽がたれ下がったりよこに広がったりするのに対し、マユダチペンギンの冠羽はブラシのようにぴんと上に立ちます。しかもこの冠羽は、立てたりねかせたりできると考えられています。体は背中が黒く、おなかが白色。太いオレンジ色のくちばしを持ち、体長は50〜70cmほどの中くらいのペンギンです。

二つの島だけで繁殖する

マユダチペンギンの繁殖地の地図
繁殖地はニュージーランドの東にあるバウンティ諸島とアンティポデス諸島だけ(C00ch, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

世界で二つの島だけ

マユダチペンギンが卵を産むのは、世界でもニュージーランドの東にある「バウンティ諸島」と「アンティポデス諸島」という、二つの亜南極の島だけです。木のない、岩だらけのきびしい島で、大きな群れ(コロニー)をつくって繁殖します。とても限られた場所にしかいないため、その島の環境が変わると、種全体が大きな影響を受けてしまいます。繁殖期が終わると、島をはなれて広い海へ出ていき、海の上で冬を過ごします。

卵のふしぎ ― 大きさが違う二つの卵

営巣するマユダチペンギンのペア
岩の上で営巣するつがい。ふつうは1羽のヒナを育てあげる(C00ch, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

1個目より2個目がずっと大きい

マユダチペンギンの繁殖には、とてもふしぎな特徴があります。1回に卵を2個産みますが、先に産む1個目の卵は、あとに産む2個目よりかなり小さいのです。その差はときに、2個目の3分の1ほどにもなります。これは、鳥の中でもっとも大きな卵の差だといわれています。ふつう、小さい1個目の卵は育たず、大きな2個目からかえった1羽だけが育てられます。なぜこんな産み方をするのかは、まだよくわかっていない、大きなナゾのひとつです。

海にもぐって、オキアミや魚を食べる

マユダチペンギンは、海にもぐってオキアミや小魚、イカなどを食べます。翼をつかって水の中を進み、獲物を追いかけて捕まえる、泳ぎの名手です。潜水は数十メートルの深さまで行い、短い潜水を何度もくり返して餌をとります。繁殖期には島の近くで、冬には広い外洋で餌をさがすなど、季節によって食べる場所を変えていると考えられています。

絶滅が心配されるペンギン

岩場に集まるマユダチペンギンの群れ
岩場に集まる群れ。狭い島だけにすむため、環境の変化に弱い(Christopher Stephens, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

数が減り、絶滅危惧種に

マユダチペンギンは、IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストで「絶滅危惧(EN)」に指定されています。20世紀の後半に数が大きく減ったと考えられており、心配されているのです。すむ場所が二つの島に限られているため、海水温の変化や餌の減りかたなど、まわりの環境の変化にとても弱いといえます。人がほとんど立ち入らない遠い島にすんでいますが、地球の環境全体とつながって、その未来が左右されるペンギンなのです。

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参考

  • IUCN Red List「Eudyptes sclateri」(絶滅危惧EN)
  • BirdLife International「Erect-crested penguin」(バウンティ諸島とアンティポデス諸島だけで繁殖・20世紀後半に減少)
  • Wikipedia「Erect-crested penguin」英語版(体長50〜70cm・体重2.5〜6kg/立てられる黄色い冠羽/2個の卵の1個目は2個目より25〜70%小さく通常2個目のヒナだけ育つ=鳥で最も極端な卵の差/名はP.スクレーターに由来)

画像出典

アイキャッチ画像: Christopher Stephens, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

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