カメレオン

トカゲ類

カメレオンは、体の色を変えることで知られるトカゲの仲間です。約200種が知られ、その半数はマダガスカル島にすんでいます。左右別々に動く目や、体より長い舌など、変わった特徴の多い生きものです。色を変える理由は「まわりに隠れるため」だけではありません。

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分類と学名

分類階層

  • 界:動物界 Animalia
  • 門:脊索動物門 Chordata
  • 綱:爬虫綱 Reptilia
  • 目:有鱗目 Squamata
  • 科:カメレオン科 Chamaeleonidae
  • おもな属:カメレオン属 Chamaeleo、パンサーカメレオン属 Furcifer、コノハカメレオン属 Brookesia など

和名・英名

  • 和名:カメレオン(科の総称)
  • 英名:Chameleon

名前の由来

「カメレオン」の名は、ギリシャ語の「地のライオン」に由来するとされます。「chamai(地面の)」と「leon(ライオン)」を合わせた言葉です。頭の突起やとさかが、ライオンのたてがみを思わせたためと考えられています。日本では、カメレオン科の仲間をまとめて「カメレオン」と呼びます。

大きさ・分布などの基本データ

大きさ全長 約2cm(ヒメカメレオンの仲間)〜約68cm(オオカメレオン)
分布アフリカ大陸・マダガスカル島が中心(南ヨーロッパやインドにも一部)
生息環境森林や低木林などの樹上。地上で暮らす種もいる
食べものおもに昆虫(大型種は小さな鳥やトカゲも)
繁殖多くは卵を産む。一部は卵胎生で子を産む(ジャクソンカメレオンなど)
種類約200種。半数はマダガスカル島の固有種

体の色を変える

色鮮やかなパンサーカメレオン
あざやかな体色のパンサーカメレオン(lwolfartist, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons)

なぜ色を変えるのか

気分や体調を伝える

カメレオンが色を変える大きな理由は、まわりに隠れるためではありません。多くは、ほかのカメレオンへ気持ちを伝えるためのものです。オスどうしが出会うと、あざやかな色を見せて強さを示し合います。相手より弱いと感じると、色を暗くして服従を伝えます。求愛のときにも、体の色が変わります。つまり色は、言葉の代わりのサインといえます。

体温の調節にも

色を変えるもう一つの理由が、体温の調節です。カメレオンは、自分で体温をつくれない変温動物です。体を温めたいときは、色を暗くして日光の熱を多く吸収します。逆に暑いときは、明るい色にして熱をはね返します。気温や光の強さに合わせて、体の色をこまかく変えています。

色が変わるしくみ

皮ふの中の、ナノの結晶

色が変わるしくみは、絵の具のように色をぬり変えるものではありません。皮ふの中にあるのは、規則正しく並んだ小さな結晶の層です。この結晶は光を反射し、並び方によって反射する色が変わります。カメレオンは、結晶どうしの間かくを広げたり縮めたりできます。間かくが変わると、はね返る光の色も青から黄、赤へと変化します。この結晶による色のしくみは、近年の研究でくわしく分かってきました。

「まわりに合わせて何色でも」ではない

「背景に合わせてどんな色にもなる」というのは、じつは誤解です。変えられる色の範囲は、種ごとにだいたい決まっています。まわりの模様にぴったり化けられるわけではありません。隠れるための色変わりは、あくまで理由の一つにすぎません。色の変化は、気分や体温を映し出す鏡のようなもの。そう考えると分かりやすいでしょう。

独立して動く目

別々の方向を見るカメレオンの目
左右の目が別々の方向を向く(lwolfartist, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons)

別々に見る、ほぼ360度

カメレオンの目は、左右が別々に動きます。片方の目で前を、もう片方で後ろを、同時に見ることができます。まぶたにおおわれた目玉が、ぐるりと回るように動くのが特徴です。これにより、体をほとんど動かさずに周囲を見わたせます。えものや天敵を、広い範囲でいちはやく見つけるためのしくみです。

えものは両目で狙う

ふだんは別々に動く目も、狩りのときは別の働きをします。えものを見つけると、両方の目をそろえて前に向けます。二つの目で見ることで、えものまでの距離を正確につかめます。この見え方があるからこそ、次に見る長い舌を命中させられます。左右別々と、両目でそろえる。目的に応じて、目の使い方を切りかえています。

体より長い舌

一瞬でのばす舌

体長をこえる長さ

カメレオンの狩りの主役は、長い舌です。ふだんは口の中にたたまれていますが、えものを狙うと一気にのび出します。のびた舌の長さは、体長と同じか、それをこえるほど。少し離れた枝の虫にも、動かずに舌だけで届きます。ばねのように力をためて、一瞬で撃ち出すしくみです。

ねばる舌先でとらえる

舌の先は、えものをとらえる工夫でできています。丸くふくらんだ先が、強い粘りけで虫をからめとります。あたる瞬間にはカップのように広がり、吸いつく力もはたらきます。くっついた虫は、そのまま口へ運ばれます。狙いをつけてから捕まえるまでは、まばたきするより短い時間です。この舌のおかげで、カメレオンは動かずに狩りができるのです。

枝の上の暮らし

枝の上を歩くカメレオン
枝の上を歩くパンサーカメレオン(Andrinivo, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons)

ものをはさむ、2対の指

カメレオンの多くは、木の枝の上で暮らします。その手足の指は、2本と3本の組に分かれています。指がものをはさむ形になっており、枝をしっかりつかめます。トングのような足で、細い枝の上でも安定して歩けます。ゆっくりと体をゆらしながら進むのも、この仲間の特徴です。

巻きつく「5本目の足」

手足に加えて、尾も枝をつかむのに役立ちます。カメレオンの尾は、くるくると枝に巻きつけられます。この巻きつく尾は、「5本目の足」とも呼ばれるほど。移動のときも休むときも、尾を枝にかけて体を支えます。木の上で暮らすための、便利な道具になっています。

飼うのは、じつは難しい

人気の種と、飼育の費用

ペットとして人気なのは、エボシカメレオンやパンサーカメレオンです。子を産む変わり者、ジャクソンカメレオンも知られています。手のひらほどの小型種から、60cmを超える大型種までさまざまです。ただし、飼育は見た目ほど手軽ではありません。温度や湿度、紫外線の管理に、専用の設備と費用がかかります。飼い始める前に、必要な環境をよく調べることが大切です。

なでてなつく生きものではない

カメレオンは、犬や猫のようになつく生きものではありません。もともと単独で暮らし、仲間ともあまり群れません。手でさわられることを、強いストレスに感じる個体が多いとされます。機嫌が悪いと、体の色を暗くして気持ちを表します。「見て楽しむ生きもの」と考えるのが、この仲間との付き合い方です。

えさは生きた虫

カメレオンのえさは、おもに生きた昆虫です。コオロギやミルワームなどを、動かして与えるのが基本になります。動くものに舌を出す性質があるため、死んだ虫には反応しにくいとされます。大型の種では、小さなトカゲや鳥を食べることもあります。生きた虫を用意し続ける手間も、飼育のハードルの一つといえます。

参考

  • Wikipedia(英語版)「Chameleon」(分類・色変化のしくみ・目・舌・分布)
  • Wikipedia(日本語版)「カメレオン」(生態・飼育)
  • Teyssier et al. (2015) Nature Communications「Photonic crystals cause active colour change in chameleons」(色変化の結晶のしくみ)

画像出典

サムネイル画像: Charles J. Sharp, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

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