フラミンゴ

水鳥類

フラミンゴは、あざやかなピンク色で知られる水鳥です。じつは、あの色は生まれつきではなく、食べものからつくられます。片足で立ち、くちばしを上下さかさにして食べるなど、変わった習性の多い鳥でもあります。世界には6種のフラミンゴがいます。

スポンサーリンク

分類と学名

分類階層

  • 界:動物界 Animalia
  • 門:脊索動物門 Chordata
  • 綱:鳥綱 Aves
  • 目:フラミンゴ目 Phoenicopteriformes
  • 科:フラミンゴ科 Phoenicopteridae
  • おもな属:フラミンゴ属 Phoenicopterus など(全6種)

和名・英名

  • 和名:フラミンゴ(紅鶴〈べにづる〉とも)
  • 英名:Flamingo

名前の由来

「フラミンゴ」の名は、「炎の色」を意味する言葉に由来するとされます。スペイン語やポルトガル語の「flamengo(炎色の)」から来た名前です。学名の Phoenicopterus も、ギリシャ語で「赤い羽の」という意味を持ちます。いずれも、あの燃えるような赤みを表した呼び名です。

大きさ・分布などの基本データ

大きさ高さ 約80cm〜145cm(種による。最大はオオ・アメリカフラミンゴ)
分布アフリカ・南アメリカ・カリブ海・南ヨーロッパ・アジアなど
生息環境塩分やアルカリの濃い湖・干潟・潟湖などの浅瀬
食べもの藻類・小さなエビ(アルテミア)・プランクトンなど
繁殖泥の山の巣に、ふつう卵を1個産む。大きな集団で繁殖
種類世界に6種(アメリカ大陸に4種、アフリカ・ユーラシアに2種)

なぜピンク色なのか

ピンク色のフラミンゴの群れ
ピンク色に染まったフラミンゴの群れ(H. Zell, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons)

色は、食べもの由来

カロテノイドという色素

フラミンゴのピンク色は、食べものにふくまれる色素からつくられます。えさにする藻類や小さなエビには、カロテノイドという赤い色素が多くふくまれます。これはニンジンやサケの身を赤くする色素と、同じなかまです。取りこまれた色素が羽にたくわえられ、体がピンクに染まります。よく食べた健康な個体ほど、色は濃く鮮やか。あざやかな色は健康の証となり、繁殖の相手にも選ばれやすくなります。

生まれたときは灰色

ひなは、ピンク色では生まれてきません。生まれたばかりのフラミンゴは、灰色がかった地味な色です。色素をふくむえさを食べ続けるうちに、少しずつ色づいていきます。おとなのようなピンク色になるまでには、数年かかるとされます。フラミンゴの色は、育つ過程でつくられていくものです。

食べないと、色があせる

ピンク色は、色素をとり続けないと保てません。色素の少ないえさで育つと、体の色は白っぽくあせてしまいます。動物園のフラミンゴが鮮やかなのには、じつは工夫があります。色素をふくむ専用のえさを与え、野生と同じ色を保っています。フラミンゴの色は、暮らしと食べものを映す鏡といえるでしょう。

くちばしを、さかさにして食べる

くちばしをさかさにして採食するフラミンゴ
頭を下げ、くちばしをさかさに水につけて食べる(Giles Laurent, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons)

上下さかさのくちばし

フラミンゴの食べ方は、とても変わったものです。水面に頭を下げ、くちばしを上下さかさまにして水につけます。首を曲げ、上あごを下にした姿勢で食べます。このさかさの姿勢が、水中の食べものをこし取るのに役立ちます。ふつうの鳥とは逆の、フラミンゴならではの採食法です。

水をこして、小さな食べものを

くちばしの中には、細かい毛のような板が並んでいます。この板が、どろ水と食べものをより分けるフィルターになります。舌で水を送り出し、藻や小さなエビだけを残します。泥をかき回して食べものを浮かせ、頭を素早く引いて吸いこみます。まるで、水の中の栄養だけをすくい取る仕組みです。

なぜ片足で立つのか

はっきりとは分かっていない

フラミンゴといえば、片足で立つ姿。片方の足を体の下にたたみ、一本足で休みます。なぜこの姿勢をとるのか、じつははっきり分かっていません。有力とされる説は、大きく二つあります。どちらも、水辺で長い時間を過ごす暮らしと関わっています。

熱を逃がさないため

一つ目は、体温を保つためという説です。フラミンゴは、冷たい水の中に長く立っていることが多い鳥です。細い足からは、体の熱がどんどん逃げていきます。片足を体の下にしまえば、水にふれる足が一本ですみます。こうして、奪われる熱を減らしているのではないかと考えられています。

片足のほうが、体が楽

二つ目は、片足のほうがかえって楽だという説です。フラミンゴの体には、片足で立つと自然に安定するしくみがあるとされます。筋肉の力をあまり使わずに、一本足でバランスを保てるのです。むしろ両足で立つより、疲れにくいのかもしれません。この二つの説は、どちらも正しい可能性があります。

じつは、空を飛ぶ

翼を広げて飛ぶフラミンゴ
翼を広げて飛ぶフラミンゴ。黒と赤の風切羽が見える(Giles Laurent, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons)

助走して飛び立つ

「フラミンゴは飛べない」と思われがちですが、これは誤解です。フラミンゴは、しっかりと空を飛べる鳥です。飛び立つときは、水面や地面を助走してから羽ばたきます。えさ場や繁殖地を求めて、長い距離を移動することもあります。動物園の個体が飛ばないのは、逃げないように翼の羽を切っているためです。

首と足をのばして、群れで

飛ぶときのフラミンゴは、独特の姿になります。長い首をまっすぐ前へ、長い足を後ろへぴんとのばします。細い十字のような形で、群れをつくって飛んでいきます。夜のうちに、遠くの湖まで飛んで移動することもあります。ピンクの群れが空をわたる姿は、なかなか見られない光景です。

大群での暮らしと子育て

数万羽のコロニー

みんなで歩く求愛

フラミンゴは、数千から数万羽もの大群で暮らします。この大きな集まりは、コロニーと呼ばれます。繁殖期には、群れ全体で変わった行動を見せます。多くの個体が首を高く上げ、同じ向きへそろって歩くのです。この集団の求愛が、繁殖のきっかけになるとされます。

赤い「ミルク」で育てる

両親が出すクロップミルク

フラミンゴの子育てには、変わった特徴があります。親は、のどの奥から出る栄養たっぷりの液でひなを育てます。「クロップミルク」と呼ばれるこの液は、赤みをおびています。哺乳類の母乳とは違い、オスもメスも出せるのが特徴です。泥の山につくった巣で、ふつう1個の卵から育てます。ひなは、やがて子どもだけの群れ(保育所)に集まって育ちます。

参考

  • Wikipedia(英語版)「Flamingo」(種数・色・採食・片足・飛翔・繁殖)
  • Wikipedia(日本語版)「フラミンゴ」(分布・生態)
  • 各動物園・水族館の解説(色の維持・飼育下の生態)

画像出典

サムネイル画像: Wilfredor, CC0, via Wikimedia Commons

タイトルとURLをコピーしました