ヘビは、脚を持たない細長い爬虫類の仲間です。全身がうろこでおおわれ、あごを広げて頭より大きな獲物も丸呑みにします。世界には約4,000種以上が知られ、その多くは毒を持ちません。大きさは10cmほどの小型種から、7m近い大型種までさまざまです。
分類と学名
分類階層
- 界:動物界 Animalia
- 門:脊索動物門 Chordata
- 綱:爬虫綱 Reptilia
- 目:有鱗目 Squamata(トカゲと同じ仲間)
- 亜目:ヘビ亜目 Serpentes
和名・英名
- 和名:ヘビ(蛇。仲間の総称)
- 英名:Snake
トカゲから分かれたグループ
ヘビは、脚のあるトカゲの仲間から分かれて進化したと考えられています。同じ有鱗目に属し、体を細長くして脚を失いました。トカゲとの違いは、まぶたと外耳がないことです。ヘビ亜目は、およそ30の科・4,000種以上に分かれます。
大きさ・分布などの基本データ
| 大きさ | 全長 約10cm(バルバドスメクラヘビ)〜約7m(アミメニシキヘビ) |
|---|---|
| 分布 | 南極大陸をのぞく世界中(海にすむウミヘビも含む) |
| 生息環境 | 森・草原・砂漠・水辺・海など(種による) |
| 食べもの | 肉食(ネズミ・カエル・鳥・卵・魚・虫など) |
| 体温 | 変温。まわりの温度で体温が変わる |
| 仲間 | 有鱗目ヘビ亜目。約30科・4,000種以上 |
| 寿命 | 種により数年〜20年以上 |
ヘビとは ― 脚のない爬虫類
脚がなく、全身がうろこ
ヘビの体には脚がなく、細長いのが特徴です。腹側の大きなうろこを地面にひっかけて進みます。ニシキヘビやボアの仲間には、後ろ脚のなごりが小さな突起として残っています。全身のうろこは、体を守るとともに、乾いた陸上での暮らしを支えます。
頭より大きな獲物を丸呑み
ヘビは、頭より大きな獲物も丸呑みにします。あごの骨が多くの関節でつながり、口を大きく広げられるためです。歯は内向きに生え、くわえた獲物が逃げにくくなっています。獲物は、毒で弱らせるか、体を巻きつけて締めつけてから飲みこみます。手足を使わずに、体だけで大きな食事をとる動物です。
舌でにおいをかぎ、脱皮する
ヘビは、二又に分かれた舌をちらちらと出します。空気中のにおいの粒を舌で集め、口の中のヤコブソン器官で感じ取ります。これで、獲物や敵の居場所を知るしくみです。成長に合わせて、古い皮を脱ぐ脱皮もくり返します。まぶたはなく、目は透明なうろこ一枚におおわれています。
ヘビの種類(科・分類別)
ヘビの仲間は、大きく30ほどの科に分かれます。ここで紹介するのは、その中の代表的な科。毒を持つ科もあれば、締めつけで獲物を仕留める科もあります。
ナミヘビ科 ― 最も種類が多い

ナミヘビ科は、ヘビの中でもっとも種類の多いグループです。その多くは毒を持たず、人にとって危険の少ない種です。日本で身近なアオダイショウやシマヘビも、この仲間になります。ただしヤマカガシのように、毒を持つ種も一部にふくまれます。
クサリヘビ科(毒)

クサリヘビ科は、強い毒を持つ種が多いグループです。日本のマムシやハブ、アメリカのガラガラヘビもこの仲間です。多くの種は、顔に「ピット」という熱を感じる器官を持ちます。これで、暗闇でも体温のある獲物を見つけられます。ずんぐりした体に、大きな毒の牙を備えます。
コブラ科(毒)
コブラ科は、神経にはたらく強い毒を持つ種が多いグループです。コブラやマンバ、海にすむウミヘビもこの仲間になります。首を広げてフードをつくるコブラの姿は、よく知られています。中でもキングコブラは、毒ヘビの中で世界最長の種です。

ニシキヘビ科 ― 大型で締めつける

ニシキヘビ科は、毒を持たない大型のヘビのグループです。獲物に体を巻きつけ、締めつけて仕留めます。最大種のアミメニシキヘビは、7m近くにまで達します。一方で、小型のボールパイソンはペットとして親しまれています。
ボア科 ― 世界一重いヘビも
ボア科も、締めつけて獲物を仕留めるグループです。多くは南北アメリカにすみ、ニシキヘビ科とよく似ています。中でもアナコンダは、世界でもっとも重いヘビとして知られます。長さより、太くがっしりした体つきが特徴です。
メクラヘビの仲間 ― 最小のグループ
メクラヘビの仲間は、ミミズのように小さく細いヘビです。土の中で暮らし、目は皮膚の下に隠れています。最小のバルバドスメクラヘビは、全長10cmほどしかありません。原始的な特徴を残す、古いタイプのヘビとされます。
毒のあるヘビ・ないヘビ
毒を持つヘビは、印象に反してむしろ少数です。強い毒を持つのは、おもにクサリヘビ科とコブラ科です。ナミヘビ科は多くが無毒で、ニシキヘビやボアも毒を持ちません。毒を持つかどうかは、その種がどの科に属するかとおおむね対応します。
いちばん強い毒と、日本のヘビ
もっとも強い毒を持つのは、オーストラリアにすむインランドタイパンとされます。ただし、実際に咬まれる人が多いのは、人の近くにすむ身近な種です。日本で毒を持つのは、マムシ・ハブ・ヤマカガシの3種が代表的です。アオダイショウやシマヘビなど、身近なヘビの多くは毒を持ちません。
ペットとして飼えるヘビ
飼えるのは小型の外来種
ヘビは、ペットとして飼われることもあります。飼われるのは、おもに体が小さく扱いやすい外来の種です。ボールパイソンやコーンスネークが、その代表になります。餌はおもにネズミで、冷凍したものを与えるのが一般的です。飼育下では、10年から20年以上生きる種もいます。
飼育に決まりのある種
日本の在来種や毒を持つ種の中には、飼育に許可や届け出が必要なものもいます。毒蛇などの飼育は、法律で扱いが定められています。だれでも自由に飼えるわけではない点が、外来のペット種との違いです。
関連ページ

参考
- Wikipedia(英語版)「Snake」― 分類・科・形態・毒・大きさ・分布の各節
- Tierzine「日本に生息するヘビの種類9選」― 日本のヘビと有毒3種(マムシ・ハブ・ヤマカガシ)
- WORIVER「日本にいるヘビの10種類」― 日本のヘビの見分け方・生息地
画像出典
アイキャッチ画像:ITÔ, Hiroki, CC BY 4.0, via Wikimedia Commons(16:9にトリミングして使用。アオダイショウ)。本文中の画像は各キャプションに出典を記載しています。


