インコとオウムは、鮮やかな羽の色や、人の言葉をまねる賢さで親しまれている鳥の仲間です。世界に約400種がいて、小さなセキセイインコから体長1mのコンゴウインコまで、大きさもさまざまです。名前は似ていますが、インコとオウムは冠羽(かんむり)の有無などで見分けられます。地域や種によって、色も大きさも暮らし方も大きく異なります。
分類と学名
分類階層
- 界:動物界 Animalia
- 門:脊索動物門 Chordata
- 綱:鳥綱 Aves
- 目:オウム目 Psittaciformes
- 科:オウム科・インコ科・ヒインコ科など
和名・英名
- 和名:インコ・オウム(の仲間)
- 英名:Parrots
グループの成り立ち
インコとオウムは、まとめて「オウム目」という大きなグループにまとめられます。オウム目はさらに、冠羽をもつオウム科と、色鮮やかなインコの仲間(インコ科・ヒインコ科など)に分かれます。日本語では「インコ」と「オウム」を呼び分けますが、どちらも同じオウム目に属する近い親戚です。世界にはおよそ400種が知られ、熱帯を中心に、南米やオセアニアで特に多くの種が暮らしています。
大きさ・分布などの基本データ
| 種類数 | 世界に約400種 |
|---|---|
| 大きさ | 体長 約8cm(小型種)〜約1m(コンゴウインコ) |
| 分布 | 熱帯・亜熱帯を中心に、南米・アフリカ・アジア・オセアニア |
| 生息環境 | 森林や草原、サバンナなど(樹上で暮らす種が多い) |
| 食べもの | 種子・果実・木の実・花のみつなど(植物食が中心) |
| 寿命 | 小型で7〜10年ほど、大型は50年以上 |
インコとオウムの見分け
冠羽の有無が見分けの目安
インコとオウムを見分けるいちばんの目安は、頭の「冠羽」です。オウムの仲間は、頭に冠のような羽をもち、驚いたり興奮したりすると立てます。羽の色は白・黒・灰色に、ピンクや黄色がまじる、落ち着いたものが多く見られます。一方でインコの仲間は冠羽をもたず、緑や赤、青などの鮮やかな色をした種が目立ちます。ただし例外もあるため、色や冠羽だけで必ず分けられるわけではありません。
「オカメインコ」はオウムの仲間
名前はまぎらわしく、分類と一致しないことがあります。その代表がオカメインコです。「インコ」と名前につきますが、頭に冠羽をもち、分類のうえではオウム科に入ります。つまりオカメインコは、名前はインコでも、中身はオウムの仲間です。名前だけで判断できないことは、インコとオウムの見分けが難しい理由の一つです。


いろいろなインコ・オウム
小型で人気の種
ペットとして親しまれているのは、おもに小型の種です。セキセイインコは、手ごろな大きさと明るい性格で、もっとも広く飼われています。丸い顔のコザクラインコやボタンインコは、つがいで仲睦まじく過ごすことから「ラブバード」とも呼ばれます。これらの小型種は、体が丈夫で人にもよくなれる種が多く、初めて鳥を飼う人にも選ばれてきました。

もっとも身近な種が、セキセイインコです。

大型で長生きの種
大型の種は、体が大きく、寿命も長いのが特徴です。アフリカに住むヨウムは、灰色の体をもつ、とりわけ賢い種です。南米のコンゴウインコは、青や赤の鮮やかな羽と、体長1mにもなる大きさで目を引きます。オーストラリアのキバタンなどのオウムも、白い体と黄色い冠羽で人気があります。これらの大型種は50年以上生きることもあり、飼育には長い年月の世話が欠かせません。

暮らしと体
食べもの
野生のインコ・オウムは、おもに植物を食べます。種子や木の実・果実・花のみつや芽など、住む土地にあるものを幅広く利用します。頑丈で曲がったくちばしは、硬い木の実の殻を割るのに適しています。種によっては、粘土質の崖をなめて、餌に含まれる毒を中和しているとされる例も知られます。多くの種が群れで行動し、鳴き交わしながら餌場や休み場所を移動します。
器用な足とくちばし
インコ・オウムの足は、指が前に2本、後ろに2本という形をしています。この足は「対趾足(たいしそく)」と呼ばれ、枝をしっかりつかむのに役立ちます。さらに、足で餌を持ち上げて口に運ぶこともでき、人が手を使うように器用に扱います。くちばしと足を組み合わせて、木登りや殻むきをこなす点も、この仲間の特徴です。
人の言葉をまねる理由
鳴管でまねる社会性の高さ
インコ・オウムには声帯がなく、のどにある「鳴管(めいかん)」という器官で音を出します。この鳴管を巧みに使い、群れの仲間や人の声をまねるとされています。もともと群れで暮らす社会性の高い鳥で、音をまねて仲間とやりとりする力が発達したと考えられています。飼われている個体が人の言葉をまねるのも、この習性の延長だと見られています。すべての個体がよく話すわけではなく、種や性格によって差があります。
ヨウムの賢さ
言葉をまねるだけでなく、意味を理解しているように見える種もいます。とくにヨウムは賢さで知られ、アレックスという個体が有名です。アレックスは物の色や形、数を区別し、「赤い四角はいくつ」といった問いに答えたと報告されています。ただし、どこまで意味を理解していたかについては、研究者のあいだでも慎重に検討されてきました。言葉のまねと理解の境界は、まだはっきりとは分かっていません。

人とのかかわりと保全
鮮やかな色や賢さ、人になれる性質から、インコ・オウムは古くからペットとして親しまれてきました。その一方で、この人気が野生の個体をおびやかす原因にもなっています。ペットにするための捕獲や、森林の減少によって、多くの種が数を減らしました。野生のインコ・オウムのうち、およそ3分の1が絶滅の危機にあるとされています。ニュージーランドに住む、飛べないオウムのカカポは、その象徴的な例です。カカポは天敵の持ちこみなどで激減し、手厚い保護のもとでようやく数を回復しつつあります。
参考
- Wikipedia「Parrot」(分類・種数・形態・食性・鳴管・寿命・保全)https://en.wikipedia.org/wiki/Parrot
- Wikipedia「Cockatoo」(オウム科の冠羽・分布)https://en.wikipedia.org/wiki/Cockatoo
- Wikipedia「Alex (parrot)」(ヨウムの認知研究)https://en.wikipedia.org/wiki/Alex_(parrot)
画像出典
- アイキャッチ(飛ぶコンゴウインコ):Giles Laurent, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons(Red-and-green macaw couple flying, Chapada dos Guimarães)
- オカメインコ:Richard Taylor, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons(Cockatiel (Nymphicus hollandicus).jpg)
- セキセイインコ:H. Zell, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons(Melopsittacus undulatus – Vogelpark Steinen 01.jpg)
- コンゴウインコ:Clément Bardot, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons(Ara bleu (Ara ararauna).jpg)
- ヨウム:L. Miguel Bugallo Sánchez, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons(Psittacus erithacus -upper body-8c.jpg)


