イグアナ【総合】

トカゲ類

イグアナは、のど袋と背中のとげをもつ、大型のトカゲの仲間です。中南米の森に住むグリーンイグアナや、ガラパゴス諸島で海に潜るウミイグアナなど、いろいろな種類がいます。多くは植物を食べる草食で、日なたで体を温めながら暮らします。ペットとしても知られる、恐竜を思わせる姿のトカゲたちです。

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分類と学名

イグアナは、爬虫綱の有鱗目(ゆうりんもく)のなかの、イグアナ科に含まれるトカゲの総称です。有鱗目は、ヘビやトカゲを含む、うろこにおおわれた爬虫類のグループです。イグアナ科には、中南米に住むグリーンイグアナや、ガラパゴス諸島の固有種であるウミイグアナ・リクイグアナなどが含まれます。

分類階層

  • 界:動物界 Animalia
  • 門:脊索動物門 Chordata
  • 綱:爬虫綱 Reptilia
  • 目:有鱗目 Squamata
  • 科:イグアナ科 Iguanidae

和名・英名

  • 和名:イグアナ(イグアナ科のなかまの総称)
  • 英名:iguana(イグアナ)

名前の由来

「イグアナ」という名は、カリブの先住民が使っていた言葉「イワナ」に由来するといわれます。この言葉が、スペイン語を通じて世界に広まりました。日本でも、そのまま「イグアナ」と呼ばれています。

大きさ・分布などの基本データ

大きさ全長1mから、大きいものは尾を入れて180cmほど
分布中南米・西インド諸島・ガラパゴス諸島など
生息環境熱帯の森、水辺、海岸の岩場など
食べ物葉・花・果実・海藻など(多くは植物食)
特徴のど袋(デューラップ)と、背中のとげ状のうろこ
なかまグリーンイグアナ・ウミイグアナ・リクイグアナなど

イグアナとは — どんなトカゲか

イグアナの仲間には、共通する体のつくりがあります。のど袋や背中のとげ、そして草を食べる暮らしが、その代表です。

イグアナののど袋ととげ
イグアナの頭部。あごの下に丸いのど袋、背中には並んだとげ状のうろこがある

のど袋と背中のとげ

イグアナの多くは、あごの下に「のど袋(デューラップ)」というひだをもっています。このひだを広げて、相手を威嚇したり、体温を調節したりします。背中から尾にかけては、とげのように立ったうろこが、たてがみのように並びます。オスでは、このとげがよく発達します。

草を食べる大型のトカゲ

イグアナの多くは、葉や花、果実などを食べる植物食です。虫や肉を主に食べるトカゲが多いなかで、これはめずらしい食性。大きな体をもち、大型の種では、尾を入れると全長180cmほどになります。がっしりとした体と長い尾が、恐竜のような姿を思わせます。長い尾は、体のバランスをとるだけでなく、敵を打つ武器にもなります。

頭にある頭頂眼

イグアナやトカゲの多くは、頭の上に「頭頂眼(とうちょうがん)」という小さな器官をもつとされます。これは、ものの形を見るふつうの目とは違います。明るさや光を感じ取り、日の長さや日光浴の助けにするための目だと考えられています。よく見ると、頭の上に薄い点のように見えることがあります。

いろいろなイグアナ

イグアナ科には、暮らす場所も暮らし方も違う、さまざまな種類がいます。ここでは、よく知られたなかまを見ていきます。

グリーンイグアナ

グリーンイグアナは、中南米の森に住む、緑色の大型のイグアナです。木の上で暮らし、水辺を好みます。泳ぎもうまく、危険を感じると水に飛びこんで逃げるといいます。ペットとして飼われることも多いものの、大きく育ち、成長も早い種。飼うには大きな設備が必要とされます。1回に産む卵は、24〜45個ほど。幼いころは、あざやかな青緑色や明るい緑色をしています。よく世話をすれば人になれることもありますが、気の荒い個体も少なくありません。

グリーンイグアナ
緑色をした中南米の大型トカゲ、グリーンイグアナ。ペットで知られますが尾を入れて2m近くにもなります。のど袋や頬の大きなうろこ、切れる尾、頭頂眼、木と水辺の暮らし、飼育に必要な温度や草食、外来種の問題まで図鑑としてまとめます。

ウミイグアナ — 海に潜る唯一のトカゲ

ウミイグアナは、ガラパゴス諸島だけに住む、黒っぽいイグアナです。トカゲの仲間で、海に潜って餌をとるのは、このウミイグアナだけとされます。海の底に生えた海藻を食べ、長いときには30分ほども潜っていられるといわれます。尾を左右にふって、魚のように泳ぎます。

ウミイグアナ
ガラパゴス諸島のウミイグアナ。海に潜って海藻を食べる、唯一の海のトカゲ

ウミイグアナは変温動物なので、冷たい海に潜ると体が冷えてしまいます。そのため、海から上がると岩の上で日光浴をして、体を温めます。また、体に入りすぎた塩は、鼻の穴から外に出します。その様子は、くしゃみのように見えることもあります。

ウミイグアナ
ガラパゴス諸島だけに住む、海に潜って餌をとる世界で唯一のトカゲ。岩の海藻を食べ、鼻から塩を吹き出し、エルニーニョでは体が縮む。ウミイグアナの体と暮らしを図鑑としてまとめました。

リクイグアナ — ガラパゴスの黄色いイグアナ

リクイグアナも、ガラパゴス諸島の固有種です。ウミイグアナとは反対に、陸の上で暮らします。体は黄色や褐色をしていて、乾いた土地に住みます。とげの多いサボテンを食べることでも知られています。

リクイグアナ
ガラパゴスのリクイグアナ。黄色い体で、サボテンなどを食べる
リクイグアナ
ガラパゴス諸島だけにすむ黄色い大型トカゲ、リクイグアナ。とげのあるサボテンをまるごと食べ、水分もそこから得ます。巣穴を掘る暮らし、60年以上の長寿、ダーウィンやウミイグアナとの交雑、外来種の脅威まで図鑑としてまとめます。

人とのかかわり

イグアナは、飼育や観光を通じて、人に親しまれてきたトカゲです。ただし、飼うにも守るにも、気をつけたいことがあります。

ペットとして飼うときの注意

グリーンイグアナは、幼いうちは小さくても、大きく育ちます。全長が1mをこえることもあり、飼うには広い場所と、体を温めるための設備が必要です。大きくなると力も強く、あつかいにも注意がいります。その大きさや力をよく考えたうえで向き合う必要のある生きものです。

ガラパゴスの固有種を守る

ウミイグアナやリクイグアナは、ガラパゴス諸島だけに住む、貴重な生きものです。数が減っている種もあり、大切に守られています。島に持ちこまれたネコやネズミなどが、卵や子を食べてしまうことも、問題になっています。世界でここにしかいないイグアナたちは、島の自然とともに、保護の対象となっています。

参考

  • イグアナ/イグアナ科(Wikipedia日本語版)分類・種類
  • グリーンイグアナ Iguana iguana(Wikipedia日本語版)大きさ・食性・飼育・繁殖
  • ウミイグアナ Amblyrhynchus cristatus(Wikipedia日本語版)潜水・海藻・塩の排出・保全

画像の出典

  • アイキャッチ・頭部(グリーンイグアナ):Ianaré Sévi, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
  • のど袋ととげ(グリーンイグアナ):Bjørn Christian Tørrissen, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
  • ウミイグアナ:E bailey, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
  • リクイグアナ:Charles J. Sharp, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
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