グリーンイグアナ

トカゲ類

グリーンイグアナは、中南米の森に住む、緑色をした大型のトカゲです。ペットとしてよく知られていますが、大きいものは尾を入れて2m近くにもなります。葉を主に食べる草食で、木に登り、水辺を好むトカゲ。イグアナ科を代表する一種として知られています。

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分類と学名

グリーンイグアナは、爬虫綱の有鱗目(ゆうりんもく)のなかの、イグアナ科に含まれるトカゲです。学名は Iguana iguana といい、属名と種小名が同じ名前になっています。イグアナ科のなかでも、もっともよく知られた種のひとつです。

分類階層

  • 界:動物界 Animalia
  • 門:脊索動物門 Chordata
  • 綱:爬虫綱 Reptilia
  • 目:有鱗目 Squamata
  • 科:イグアナ科 Iguanidae
  • 種:グリーンイグアナ Iguana iguana

和名・英名

  • 和名:グリーンイグアナ(緑イグアナ)
  • 英名:green iguana

名前の由来

「グリーン」は、その体の緑色にちなみます。ただし色には幅があり、緑のほか、青や赤みをおびた個体も知られています。「イグアナ」は、カリブの先住民の言葉に由来する呼び名です。

大きさ・分布などの基本データ

大きさ全長1.2〜1.7m、大型のオスは尾を入れて2m・体重8kgをこえる
分布メキシコからブラジル、西インド諸島までの中南米
生息環境熱帯の森、川や池のそばの木の上
食べ物葉・花・果実などの植物(草食)
特徴のど袋、背中のとげ、頬の大きな丸いうろこ
なかまイグアナ科(ウミイグアナ・リクイグアナなど)

緑色の大きなトカゲ

グリーンイグアナの体には、イグアナ科ならではの特徴がそろっています。のど袋や背中のとげ、そして頬の大きなうろこが目印です。

グリーンイグアナの頭部
グリーンイグアナの頭部。あごの下ののど袋と、頬の大きな丸いうろこが目立つ

のど袋と頬の大きなうろこ

のど袋(デューラップ)

あごの下には、「のど袋(デューラップ)」というひだがあります。このひだを広げることで、体温を調節したり、相手に自分を大きく見せたりします。求愛や、なわばりを争うときにも使われます。オスでは、こののど袋がとくに大きく発達します。

頬の丸いうろこ

目の下からあごにかけて、大きくて丸いうろこがあります。これは、とくにオスでよく目立つ特徴です。まわりを黒いふちに囲まれた、このうろこがあることで、グリーンイグアナだと見分けやすくなります。

背中のとげと、切れる尾

たてがみのようなとげ

首の後ろから背中、尾にかけて、とげのように立ったうろこが並びます。この並びは、たてがみのように見えます。オスでは、このとげがより長く発達します。背中のとげは、オスとメスを見分ける手がかりにもなります。

尾を切って逃げる

グリーンイグアナは、体の半分以上をしめる、長い尾をもっています。この尾は、敵につかまれると、自分から切りはなして逃げることができます。切れた尾は、時間をかけて、ふたたび生えてくるといわれます。また、長い尾をむちのようにふって、敵を追いはらうこともあります。

頭の上の「頭頂眼」

グリーンイグアナの頭の上には、「頭頂眼(とうちょうがん)」という、薄い色の小さな器官があります。ものの形を見るふつうの目とは違い、明るさや動きを感じ取るはたらきをします。上空から近づく鳥などの敵を、いち早く察知するのに役立つと考えられています。

木と水辺の暮らし

野生のグリーンイグアナは、川や池のそばの木の上で暮らします。木登りと泳ぎの、どちらも得意なトカゲです。

木に登る草食のトカゲ

グリーンイグアナは、木の上で葉や花、果実を食べて暮らします。虫や肉を食べるトカゲが多いなかで、ほぼ植物だけを食べるのは、めずらしい食性です。鋭いつめと、しっかりした指で、木の幹や枝を巧みに登ります。日中は、枝の上で日光浴をして体を温めます。

泳ぎがうまい

木の上で暮らすグリーンイグアナですが、泳ぎも得意です。危険を感じると、木から水の中へ飛びこんで逃げます。長い尾を左右にふって、素早く泳ぐことができます。水辺の木を選んで暮らすのは、この逃げ道があるからだとみられます。

色の変化と子ども

グリーンイグアナの子どもは、鮮やかな緑色をしています。地域によっては、青みの強い子どもも生まれます。成長するにつれて色は変わり、大人になると、緑や灰色みをおびた色あいになります。住む地域によって、赤やだいだい色をおびた個体も知られています。

飼うときに知っておきたいこと

グリーンイグアナは、ペットとして飼われることの多いトカゲです。ただし、飼うには、いくつかの大切な条件があります。

全身のグリーンイグアナ
岩の上のグリーンイグアナ。長い尾を入れると2m近くになる個体もいる

とても大きく育つ

幼いころは手のひらほどの大きさでも、数年で大きく育ちます。大型のものは、尾を入れて2m近く、体重も数kgに達します。飼うには、それだけの体が入る、広い場所が必要です。オスは、なわばりを守るために頭を上下にふったり、尾でたたいたりすることもあります。

暖かさとライト、草の餌

暖かさと紫外線

グリーンイグアナは変温動物なので、まわりの温度で体温が決まります。健康に過ごせる温度は、およそ26〜35℃とされます。紫外線(UV)も欠かせず、飼育下では専用のライトでおぎなわれます。紫外線は、骨をつくるのに欠かせないはたらきをします。

草だけを食べる

グリーンイグアナは、ほぼ植物だけを食べる草食です。飼育下でも、葉物の野菜などが食事の中心になります。肉や虫は本来の食べ物ではなく、体を壊すもとになるとされます。骨を健康にたもつには、カルシウムも欠かせないとされます。

飼育のむずかしさ

これらの条件がそろわないと、グリーンイグアナは弱ってしまいます。実際、飼い始めてから数年のうちに死なせてしまう例も少なくないとされます。適した環境をたもつことが、飼育のうえでの大きな課題です。

外来種としての問題

ペットとして持ちこまれたグリーンイグアナが、もともと住んでいなかった土地で野生化する例が、各地で起きています。とくにアメリカのフロリダでは、数を増やしたグリーンイグアナが問題になっています。庭の植物を食べたり、家の屋根裏に入りこんだりして、人の暮らしに影響をおよぼしています。飼えなくなった個体が野外に放されることも、こうした野生化の一因になっているとされます。

イグアナのなかま

グリーンイグアナは、イグアナ科の一種です。同じ仲間には、海に潜るウミイグアナや、ガラパゴスのリクイグアナがいます。変わった暮らしをするものも少なくありません。イグアナの仲間全体については、次のページでまとめて紹介しています。

イグアナ【総合】
のど袋と背中のとげをもつ大型のトカゲ、イグアナの仲間をまとめて紹介します。ペットで知られるグリーンイグアナ、海に潜る唯一のトカゲ・ウミイグアナ、ガラパゴスのリクイグアナまで、体のつくり・草食・頭頂眼・飼育や保全を図鑑としてまとめます。

参考

  • グリーンイグアナ Iguana iguana(Wikipedia日本語版)大きさ・食性・飼育・繁殖
  • Green iguana(Wikipedia英語版)頭頂眼・尾の自切・飼育の温度と紫外線・外来種
  • グリーンイグアナ(各図鑑)体のつくり・のど袋・色の変化

画像の出典

  • アイキャッチ(全身):Cayambe, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
  • 頭部(のど袋と頬のうろこ):Wilfredor, パブリックドメイン, via Wikimedia Commons
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