オカメインコ

インコ・オウム類

オカメインコは、頭に立てられる冠羽(かんむり)と、ほっぺの橙色の模様が特徴の鳥です。名前に「インコ」とつきますが、実際には冠羽をもつオウムの仲間で、オウムの中では最も小さな種です。口笛でメロディを覚えるのが得意で、温和で人になれる性質から、ペットとして広く親しまれています。冠羽の向きや鳴き声には、そのときの気持ちが表れます。

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分類と学名

分類階層

  • 界:動物界 Animalia
  • 門:脊索動物門 Chordata
  • 綱:鳥綱 Aves
  • 目:オウム目 Psittaciformes
  • 科:オウム科 Cacatuidae
  • 種:オカメインコ Nymphicus hollandicus

和名・英名

  • 和名:オカメインコ
  • 英名:Cockatiel

名前の由来と分類

和名の「オカメインコ」は、ほっぺにある橙色の丸い模様を、おたふく(おかめ)の面の頬に見立てたことに由来します。名前に「インコ」とついていますが、分類のうえではオウム科に入るオウムの仲間です。頭に冠羽をもつことが、オウムの仲間である何よりの証拠です。オウムの中では最も体が小さく、ただ一種でオカメインコ属をつくる、少し変わった位置づけの鳥です。

大きさ・分布などの基本データ

大きさ全長 約30〜33cm(長い尾が体の半分ほど)/体重 約80〜100g
分布オーストラリアの内陸部(乾いた土地)。ペットとして世界中で飼育
生息環境乾燥した草原や低木地。ただし水辺の近く
食べもの草の種子など(植物食)
寿命飼育下でおよそ15〜25年(まれに30年以上)

オカメインコのすがた

冠羽と橙色のほっぺ

気分を表す冠羽

オカメインコの頭には、立てられる冠羽があります。この冠羽は、そのときの気分を映す部分です。驚いたり警戒したりするとまっすぐ立ち、落ち着いていると斜めになり、強く威嚇するときには寝かされます。眠いときは、片足で立って羽をふくらませ、冠羽も力の抜けた形です。冠羽の向きを見れば、オカメインコの今の気分がある程度分かります。

おかめ顔のほっぺ

顔には、左右のほっぺに橙色の丸い模様があります。この模様がおかめの面を思わせることが、和名の由来です。野生のオカメインコは、体が灰色で、顔と冠羽が黄色みをおびます。翼には白い帯があり、飛ぶときによく目立ちます。全体としては地味な色合いですが、橙色のほっぺがよいさし色になっています。

冠羽を立てたオカメインコの顔
冠羽を立てたオカメインコ。橙色のほっぺがおかめの面を思わせ、和名の由来になった

いろいろな色の品種

野生の色(ノーマル)

もっとも基本となるのが、野生と同じ灰色の「ノーマル」と呼ばれる色です。灰色の体に、黄色い顔と橙色のほっぺという、オカメインコらしい配色をしています。オスとメスで顔の黄色みや尾の模様に差があります。たとえばノーマルでは、大人のオスは顔の黄色が濃く、メスは尾の裏に横縞が残るといった違いがあります。ただし色の品種によっては、見た目でのオスメスの区別が難しいものもあります。

改良された色

飼育の中では、さまざまな色の品種が作り出されています。全身が白っぽい黄色の「ルチノー」・白い斑がまじる「パイド」・細かなうろこ模様の「パール」・茶色みをおびた「シナモン」などがよく知られます。ほっぺの橙色以外の色みが抜けた「ホワイトフェイス」もあります。品種はいくつも組み合わさり、その数は20種類以上にのぼります。色や柄の豊富さが、オカメインコの人気を支えています。値段は、色や柄の珍しさによって幅があります。

色の異なる3羽のオカメインコ
色の異なる品種のオカメインコ。中央が野生に近いノーマルで、飼育の中で20種類以上の色が生まれた

鳴き声と気持ち

口笛とさえずり

メロディを覚える

オカメインコは、言葉を話すよりも、口笛でメロディを覚えるのが得意です。飼い主が繰り返し聞かせた歌のふしを、少しずつ真似て歌うようになります。人の言葉もいくらか覚えますが、はっきり話すのは得意なほうではありません。短い単語やあいさつを覚えることはあります。覚えるふしは、飼い主の口笛や、テレビから流れる短い音楽などさまざまです。同じふしを何度も練習し、しだいに上達していく様子も見られます。覚えたふしを繰り返し鳴くのが、オカメインコらしいさえずりです。

オスのほうがよく歌う

歌や口笛を得意とするのは、おもにオスです。オスは求愛のためにさえずる性質があり、覚えたふしを繰り返し歌います。メスは歌が少なく、短い地鳴きが中心です。このため、よくしゃべったり歌ったりする個体を望んで、オスが選ばれることもあります。オスメスで、鳴き方の性質が異なる鳥だといえます。

飼い主を呼ぶ「呼び鳴き」

オカメインコには、「呼び鳴き」と呼ばれる大きな鳴き声があります。姿が見えなくなった仲間や飼い主を呼ぶための声で、「ピーッ」と甲高く、遠くまで響きます。もともと野生では、群れではぐれた仲間と呼び合うための声です。飼育下では飼い主に向けられ、大きな声が問題になることもあります。相手が応えると鳴きやむことが多いとされます。ただし、鳴けば応えてもらえると学ぶと、かえって鳴き続けることもあります。呼び鳴きの大きさや頻度には、個体差が大きいのも特徴です。

鳴き声と冠羽で気持ちを読む

オカメインコの気持ちは、鳴き声と冠羽に表れます。機嫌がよいときは、冠羽をゆるめ、柔らかな声で「キュキュ」と鳴きます。驚いたときは、冠羽を立て、鋭く「シャー」と鳴くこともあります。鳴き声と冠羽の両方に、そのときの気持ちが映し出されるといえます。

性格と暮らし

温和で人になれる

オカメインコは、穏やかで人になつきやすい鳥です。大きな声で鳴くわりに、気立ては優しく、飼い主に強く懐く個体も多くいます。オウムの仲間ながら体が小さく、扱いやすいことも人気の理由です。肩や指に乗って過ごすのを好む個体も多く、飼い主との触れ合いを楽しみます。ペットとして飼われる鳥の中では、セキセイインコに次いで数が多いとされ、世界中で親しまれています。オウムの仲間らしく知能も高く、簡単な芸や、自分の名前への反応を覚える個体もいます。退屈するといたずらをすることもあり、遊び道具や関わりを必要とします。

オーストラリアの乾いた大地

野生のオカメインコが暮らすのは、オーストラリア内陸の乾いた土地です。ふだんは、つがいや小さな群れで行動します。草の種子が主な食べ物です。乾燥した土地では水が貴重なため、水場の近くを離れません。水を求めて広く移動する、遊牧のような暮らしです。雨が降って草が実ると、その地に群れが集まり、繁殖することもあります。野生では、数十羽から数百羽の群れになることもあります。

野生のオカメインコ
オーストラリアの野生のオカメインコ。乾いた土地で草の種子を食べる

繁殖と寿命

繁殖では、メスが一度に4〜7個ほどの卵を産みます。卵は17〜23日ほどであたためられてかえり、ヒナは5週間ほどで巣立ちます。抱卵や子育ては、オスとメスが協力しておこなうのが特徴です。寿命は長く、飼育下では15〜25年ほど生きます。まれに30年をこえた記録もあり、小さな体のわりに長く生きる鳥です。ヒナは、親が吐き戻したエサをもらって育ちます。人の手で育てられたヒナは、より人になれやすいとされます。

オカメインコはオウムの仲間

名前のせいで混同されがちですが、オカメインコは「オウムの仲間」です。頭に立てられる冠羽をもつことが、オウム科の目印になります。冠羽をもたないセキセイインコやコンゴウインコなどは、インコの仲間にあたります。「インコ」と名がつくオカメインコがオウム科であることは、名前と分類が食い違うよい例です。

インコ・オウム【総合】
インコとオウムは、鮮やかな羽の色や、人の言葉をまねる賢さで親しまれる鳥の仲間です。世界に約400種。インコとオウムの見分け(冠羽の有無)、セキセイインコやヨウム・コンゴウインコなどの種類、言葉をまねる仕組みまで。

参考

画像出典

  • アイキャッチ:Bidgee, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons(Cockatiel (Nymphicus hollandicus) perched in a tree)
  • 冠羽と顔:Richard Taylor, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons(Cockatiel (Nymphicus hollandicus).jpg)
  • 色の品種:H. Zell, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons(Nymphicus hollandicus – Forst 01.jpg)
  • 野生のオカメインコ:Rolf Lawrenz, CC BY 4.0, via Wikimedia Commons(Nymphicus hollandicus 162198224.jpg)
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