キーウィ

キーウィ 大型陸鳥

キーウィは、ニュージーランドに住む飛べない鳥です。丸い体に長いくちばしを持ち、夜に地面の虫を探して歩きます。体のわりに大きな卵を産み、くちばしの先に鼻の穴があります。ニュージーランドを代表する鳥で、国の人々の愛称にもなっています。

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分類と学名

分類階層

  • 界:動物界 Animalia
  • 門:脊索動物門 Chordata
  • 綱:鳥綱 Aves
  • 目:キーウィ目 Apterygiformes
  • 科:キーウィ科 Apterygidae
  • 属:キーウィ属 Apteryx

和名・英名

  • 和名:キーウィ(キウイ)
  • 英名:Kiwi

「キーウィ」という呼び名

「キーウィ」は、キーウィ科の飛べない鳥をまとめて呼ぶ名前で、5種が知られています。すべてニュージーランドだけに住む、その土地固有の鳥です。名前は、オスの鳴き声を写したものだといわれています。ダチョウやエミューと同じ、飛ばない鳥(走鳥)の仲間で、その中ではいちばん小さなグループです。近年の研究では、キーウィに最も近い仲間は、かつてマダガスカルにいた絶滅した巨大な鳥だと分かってきました。遠くはなれた土地の鳥どうしが、近い間柄にあたるとされます。

ダチョウ
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大きさ・分布などの基本データ

大きさ全長 約35〜55cm/体重 約0.8〜3.3kg(ニワトリくらい)
分布ニュージーランドの固有種
生息環境森林・低木林など。地面に巣穴を掘る
食べ物ミミズ・昆虫の幼虫・木の実・果実など
寿命野生でおよそ25〜50年と長い
保全状況いくつかの種が絶滅危惧とされる(外来の動物が主な原因)

走鳥(そうちょう)とは、ダチョウ・エミュー・キーウィなど、飛ぶ力を失って地上で暮らすようになった鳥のなかまです。胸の骨に、飛ぶための出っぱりがありません。

地面をさぐるキーウィ
地面をさぐるキーウィ。丸い体と長いくちばしが目立ちます。撮影:James St. John(CC BY 2.0)

飛べない鳥

キーウィは、鳥でありながら空を飛べません。長い進化の中で飛ぶことをやめ、地上での暮らしに合った体になりました。

毛のような羽

羽と痕跡の翼

キーウィの羽は、ふつうの鳥のようにきれいにそろっていません。獣の毛のように、柔らかくて乱れています。翼はごく小さく、羽の中に埋もれていて、外からはほとんど見えません。飛ぶ必要がなくなったため、翼が小さくなったと考えられています。

尾のない丸い体

キーウィには、目立つ尾がありません。そのため、体は洋なしのような丸い形に見えます。飛ぶ鳥の骨は中が空になっていて軽いのに対し、キーウィの骨には髄がつまっていて、しっかりしています。

強い脚で歩き回る

キーウィの脚は太くて強く、体重のかなりの部分を占めます。この脚で地面を掘り、また、夜の森をすばやく歩き回ります。危険が迫ると、この脚で走って逃げたり、鋭い爪でけったりします。くちばしのつけ根には長いひげがあり、暗い中で周りのようすを感じ取るのに役立つとされています。

体のわりに大きな卵

キーウィでとくに目を引くのは、卵の大きさです。小さな体には不つり合いなほど、大きな卵を産みます。

キーウィと大きな卵
キーウィと、体のわりに大きな卵(古い写真)。撮影:Archives New Zealand(CC BY 2.0)

母鳥の負担が大きい

体重の何割もの卵

キーウィの卵は、大きいもので母鳥の体重の2割ほどにもなります。これは、鳥の中でも体のわりにとくに大きな卵です。卵の中には栄養がたっぷりつまっていて、かえったヒナは、すぐに自分で歩き回れるほど育った状態で生まれます。メスが一度に産む卵は、ふつう1〜2個です。母鳥は、この大きな卵をおなかに抱えて、産むまでの日々を過ごします。なぜこれほど大きな卵を産むのか、はっきりとは分かっていません。祖先がもっと大きな鳥で、体だけが小さくなった名残ではないか、という説もあります。

オスが温める

多くの種で、卵を温めるのはおもにオスの役目です。オスは巣穴にこもり、70〜80日ほどかけて卵を温めます。長い期間をかけるぶん、生まれてくるヒナはしっかり育っています。ヒナは、生まれてまもなく自分で歩き、餌を探し始めます。

キーウィの卵の標本
キーウィの卵の標本。撮影:Te Papa(CC BY 4.0)

くちばしの先の鼻

キーウィには、ほかの鳥にはあまり見られない特徴があります。それが、においで餌を探すことです。

においで餌をさがす

鼻の穴はくちばしの先

多くの鳥は、鼻の穴がくちばしのつけ根にあります。ところがキーウィは、鼻の穴がくちばしの先にあります。この鼻で、地面のにおいをかぎ分けます。鳥の中では珍しく、においを頼りに暮らす鳥。

夜に地中の虫をとる

キーウィは夜行性で、暗くなってから餌を探しに出ます。長いくちばしを土に差しこみ、においや土の中のかすかな動きを手がかりに、ミミズや虫の幼虫を見つけます。目はあまりよくありません。においや触った感じ、音を頼りに獲物のいる場所をつかみます。長いくちばしは、地面を深く探るのに向いた道具です。

哺乳類を思わせる鳥

哺乳類に似た点

キーウィには、ほかの鳥より、哺乳類に近く見える点がいくつもあります。

  • においで餌を探す
  • 顔にひげがある
  • 骨に髄がつまっている
  • 体温がほかの鳥より低め

長い寿命も、小さな鳥にしては変わっています。天敵の少ない島で、長い時間をかけて、独自の姿に育ってきたと考えられています。

5種のキーウィ

5つの種と見分け

キーウィの仲間は、ニュージーランドに5種がいます。

  • キタジマチャイロキーウィ
  • オオマダラキーウィ
  • コビトキーウィ
  • ロウィ
  • トコエカ

大きさや羽の模様、鳴き声に違いがあります。茶色い羽のものや、灰色に白い斑点の入ったものなど、種によって見た目が変わります。数が少なく、絶滅が心配される種もいます。

コビトキーウィ
コビトキーウィ(リトルスポッテッドキーウィ)。撮影:Kimberley Collins(CC BY-SA 4.0)

ニュージーランドと人々

キーウィは、ニュージーランドの人々にとって特別な鳥です。国を代表する鳥とされ、ニュージーランドの人々は、自分たちのことを親しみをこめて「キーウィ」と呼びます。硬貨や切手にもその姿が描かれてきました。緑色の果物「キウイフルーツ」の名も、形が鳥のキーウィに似ていることにちなむとされています。先住民のマオリの人々にとっても大切な鳥で、その羽は、かつて特別な衣に使われました。夜行性のため、ニュージーランドでは暗くした専用の施設で観察されます。日本の動物園では、ほとんど見ることができません。

外来の敵と保全

天敵のいなかった鳥

キーウィは、長いあいだ天敵の少ないニュージーランドで暮らしてきました。そのため、身を守る力があまり強くありません。ところが、人が持ちこんだイヌ・ネコ・オコジョ・イタチなどが、キーウィのヒナや卵を襲うようになりました。飛べず、地上に巣を作るキーウィにとって、こうした動物は大きな脅威です。野生のキーウィは、5種を合わせても数万羽ほどまで減ったとされています。

守る取り組み

今では、卵やヒナを人の手で育ててから森へ返したり、柵で囲って外来の動物を防いだりする取り組みが続けられています。卵やヒナを守って育てる活動は成果を上げており、国全体で外来の動物をなくす大きな目標もかかげられています。地域の人々もボランティアとして、罠の見回りなどに関わっています。

参考

  • IUCN Red List: Apteryx 各種(Kiwi)の評価ページ
  • New Zealand Department of Conservation(DOC): Kiwi の解説
  • Animal Diversity Web(ミシガン大学): Apteryx の解説
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