マーモット【総合】

齧歯類(ネズミ・リス)

マーモットは、リス科の中でいちばん大きな「地上で暮らすリス」のなかまです。世界に約15種がいて、ヨーロッパのアルプス・アジアの高原・北アメリカの山や平地などにすんでいます。長い冬眠や口笛のような鳴き声、社交的な暮らしで知られる、ずんぐりとした人気者です。

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分類と学名

分類階層

  • 界:動物界 Animalia
  • 門:脊索動物門 Chordata
  • 綱:哺乳綱 Mammalia
  • 目:齧歯目(げっしもく) Rodentia
  • 科:リス科 Sciuridae
  • 属:マーモット属 Marmota

名前の由来

「マーモット(marmot)」という名前は、ラテン語の「ムス・モンタヌス(mus montanus)=山のネズミ」から来たといわれています。名前のとおり、多くの種が山にすむ大きなネズミのなかまです。マーモット属には世界で約15種が知られています。

大きさ・分布などの基本データ

種数約15種
大きさ体長 約40〜75cm(種による)
体重約2〜11kg(冬眠前に大きく太る)
分布ユーラシア・北アメリカ(山地・草原・平地)
生息環境高山草原・ステップ・平地の草地
食べ物草・葉・花・種子(完全な草食)
寿命野生でおよそ5〜10年
冬眠半年前後(種や地域による)

マーモットってどんな動物?

リス科でいちばん大きい

マーモットは、リス科の中でいちばん重く、いちばん大きななかまです。体長は40〜75cm、体重は2〜11kgほどで、ずんぐりとした体つきをしています。足は短く、穴を掘るのに向いた鋭い爪を持っています。北米では、いちばん大きいのがオリンピックマーモット、いちばん小さいのがアラスカマーモットです。

世界でも指おりの「冬眠の名人」

マーモットは、半年前後もの長い冬眠をすることで知られます。冬眠中は体温や心拍が大きく下がり、ためた脂肪だけで冬を越します。じつはマーモットは「本当の意味で冬眠する動物」の中では最大級です。クマも冬にねむりますが、体のしくみはマーモットほど深くは変わらないため、少し違う眠りだと考えられています。

口笛で知らせる社交家

多くのマーモットは、家族を中心とした群れ(コロニー)で暮らす社交的な動物です。見張り役が後ろ足で立ち上がって周囲を監視し、敵が近づくと鋭い口笛のような声で仲間に知らせます。この習性から、英語では「ホイッスルピッグ(口笛ブタ)」とも呼ばれます。ただし北米のグラウンドホッグのように、単独で暮らす変わり者もいます。

マーモットの暮らしと一生

巣穴は地下の大きな家

マーモットはみな、地面に複雑な巣穴を掘って暮らします。巣穴には出入り口がいくつもあり、中は寝る部屋・冬眠する部屋・トイレなどに分かれています。同じ巣穴は何年も、ときには世代をこえて使われます。使われなくなった巣穴は、キツネやヘビなどほかの動物のすみかにもなり、土をやわらかくして草原や森を支えます。こうしたはたらきから、マーモットは「生態系エンジニア」と呼ばれます。

春に生まれ、夏に育つ

繁殖は、冬眠から目ざめた春から初夏にかけて行われます。妊娠期間はおよそ1か月で、1回に2〜6頭の子が生まれます。子は巣穴の中で育てられ、夏のあいだに遊びながら生き方を学びます。ただし、初めての冬眠を越せずに命を落とす若い個体も少なくありません。野生での寿命は、およそ5〜10年です。

短い夏に食べて太る

マーモットは草食で、草や葉・花・種子などを食べます。春には新芽ややわらかい葉を、夏から秋には栄養の多い部分を選んで食べます。とくに冬眠が近づく秋には、短い間にたくさん食べて、脂肪をたっぷりため込みます。この脂肪が、半年ちかい冬眠を生きぬくための「たくわえ」になります。

天敵と身の守り方

地上で暮らすマーモットは、ワシ・キツネ・オオカミ・クマなど、多くの天敵にねらわれます。そこで見張り役が周囲を警戒し、危険を口笛のような声で仲間に知らせます。声を聞いた仲間は、すばやく巣穴へにげこみます。見張り・警報・にげ道づくりを組み合わせた、群れならではの守り方です。

いろいろなマーモット(代表種)

ユーラシアのマーモット

ヨーロッパや中央アジアの山・草原にすむ仲間です。それぞれのくわしい話は、各ページでどうぞ。

ヨーロッパアルプスの山にすむ、いちばん有名なマーモット。家族で寄りそって冬を越します。

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ワシントン州だけにすむ固有種。とても社交的で、仲間と「とっくみあい」をして遊びます。

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オリンピックマーモットは、アメリカ・ワシントン州のオリンピック半島だけにすむマーモットです。北米でいちばん大きなマーモットで、とても社交的。仲間どうしで「とっくみあい」をして遊ぶことでも知られ、2009年にはワシントン州の公式ほ乳類にも選ば...

カナダの島だけにすむ、世界最希少級のマーモット。復活プログラムで数をもどしつつあります。

バンクーバーマーモット
バンクーバーマーモットは、カナダのバンクーバー島だけにすむ、こげ茶色の毛が目印のマーモットです。一時は野生でわずか30頭ほどまで減り、世界でもっとも数の少ない哺乳類の一つとして知られます。動物園で育てて山へ帰す復活プログラムで、少しずつ数を...

人とのかかわり

文化・食用・薬用

マーモットは、地域によって人とのかかわり方が違います。北米では、グラウンドホッグが春を占う行事の主役として親しまれています。一方、ユーラシアの高地にすむ種は、毛皮・食用・薬用として利用されてきました。土を掘りかえす巣穴づくりは、草原や森の土をやわらかくし、生態系を支える役目も果たしています。

守るべきマーモットたち

多くのマーモットは数が安定していますが、狭い地域だけにすむ種は絶滅の危機にあります。とくにカナダのバンクーバーマーモットは、一時は野生で30頭ほどまで減りました。動物園で殖やして山へ帰す取り組みで、少しずつ数を取りもどしています。近年は温暖化による雪どけの変化も、高山の種にとって新しい心配ごとになっています。

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参考

  • Wikipedia「Marmot」(英語版・15種/リス科最大/真の冬眠者/名前の由来)
  • IUCN Red List(各種の保全状況)

画像出典

アイキャッチ画像: Uoaei1, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

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