コガタペンギン

海鳥類

コガタペンギンは、その名のとおり世界でいちばん小さなペンギンです。体は青みがかった羽におおわれ、「フェアリーペンギン」「リトルブルーペンギン」とも呼ばれます。昼は海で魚をとり、夜になると海岸の巣穴へ帰る、ちょっと変わった暮らしをしています。

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分類と学名

分類階層

  • 界:動物界 Animalia
  • 門:脊索動物門 Chordata
  • 綱:鳥綱 Aves
  • 目:ペンギン目 Sphenisciformes
  • 科:ペンギン科 Spheniscidae
  • 属:コガタペンギン属 Eudyptula
  • 種:コガタペンギン Eudyptula minor

和名・英名

  • 和名:コガタペンギン
  • 英名:Little penguin(fairy penguin / little blue penguin)
  • マオリ名:コロラ(kororā)

名前の由来

学名の種小名「minor(マイナー)」は、「より小さい」という意味です。その名のとおり、コガタペンギンはペンギンの中でいちばん小さな種です。英名の「フェアリー(妖精)ペンギン」は、その小ささと愛らしさから。「リトルブルーペンギン」は、青みがかった羽の色からきた呼び名です。ニュージーランドでは、マオリの言葉で「コロラ」とも呼ばれています。

大きさ・分布などの基本データ

大きさ体長 約30〜40cm・体重 約1〜1.5kg(世界最小)
分布オーストラリア南部・ニュージーランドの海岸と島々
生息環境海岸の岩場・砂地の巣穴・まわりの浅い海
食べ物イワシ・カタクチイワシなどの小魚・イカ・エビ
寿命野生でおよそ6〜7年(まれに20年以上)
保全状況IUCN:軽度懸念(LC)

世界でいちばん小さいペンギン

青い羽の小さな体

手のひらにのるほど小さい

コガタペンギンの体長は約30〜40cm、体重は1〜1.5kgほどしかありません。これは、大人でもだいたい小学校の1年生が使う定規(30cm)くらいの大きさです。いちばん大きなコウテイペンギンとくらべると、体重は30分の1ほどしかありません。

水をはじく青い羽

背中から頭にかけては青みがかった灰色で、おなかは白色。この青い色は、羽の中に光をよく反射する細かいつぶがたくさんあることで生まれ、水をはじく役目も果たしています。ほかのペンギンにはない、コガタペンギンならではの美しい色です。生まれてまもない子どもは青みがうすく、くちばしも短めで、大人になるにつれてはっきりとした青色になっていきます。

コガタペンギンの青い羽
青みがかった羽と白いおなか。世界最小のペンギン(JJ Harrison, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

「フェアリー」「ハネジロ」いろいろな呼び名

コガタペンギンには、たくさんの呼び名があります。「フェアリーペンギン」も「リトルブルーペンギン」も、すべて同じこのペンギンのことです。また、つばさに白いふちのある「ハネジロペンギン」は、コガタペンギンの一つのタイプ(亜種)とされています。さらに近年の研究では、ニュージーランドにすむものとオーストラリアにすむものが、別の種に分けられることもあります。呼び名は多いですが、どれも小さくて青い、あの愛らしいペンギンの仲間です。コガタペンギンがすむのは、オーストラリアとニュージーランドの周辺だけ。この地域だけにすむ、特別なペンギンでもあります。

昼は海・夜に巣穴へ帰る

昼は海、夜は巣穴へ

コガタペンギンの暮らしは、少し変わっています。昼のあいだは海に出て、もぐって魚を追いかけます。そして日がくれる夕方になると、いっせいに岸へ上がり、海岸の巣穴へ帰っていくのです。巣は、砂地や岩のあいだに掘った穴の中です。天敵に見つかりにくい夜に上陸するのは、身を守るための知恵と考えられています。

隊列で帰る「ペンギンパレード」

海から上がるときは、たくさんの仲間がいっしょに群れになって岸へ向かいます。まとまって動くことで、天敵におそわれる危険をへらすねらいがあると考えられます。しかも調子のよい年には、朝いっしょに海へ出た仲間と、夕方もまた同じ顔ぶれで隊列を組んで帰ってくるそうです。オーストラリアのフィリップ島では、夕暮れに何百羽ものコガタペンギンが列をつくって海から歩いてくる「ペンギンパレード」が有名で、世界中から観光客が集まります。

海を泳ぐコガタペンギン
昼は岸の近くの浅い海で、もぐって魚を追いかける(Calistemon, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

日本の水族館でも会える

コガタペンギンは、オーストラリアやニュージーランドにすむペンギンですが、日本のいくつかの水族館でも会うことができます。和歌山のアドベンチャーワールドや、宮城の仙台うみの杜水族館などで飼育されていて、その小さな姿を間近で見られます。「小さくてかわいいから飼ってみたい」と思うかもしれませんが、コガタペンギンは野生の保護すべき動物です。ペットとして飼うことはできないので、会えるのは動物園や水族館です。

食べもの・天敵と保全

食べものと天敵

コガタペンギンの食べものは、イワシやカタクチイワシなどの小魚が中心で、ほかにイカやエビも食べます。体が小さいため、深くはもぐらず、岸に近い浅い海で暮らします。多くのもぐりは水深2mより浅く、1回の潜水は20秒ほどです。遠くまで行かず、岸の近くでこまめに餌をとるのが得意なペンギンです。海での天敵はアザラシや大きな魚ですが、いちばんの問題は陸にあります。人が持ちこんだキツネ・イヌ・ネコ・ネズミが、巣穴の卵やヒナ・親鳥をおそうのです。地面の巣穴は、こうした外来の動物に見つかりやすく、数を減らす大きな原因になっています。

数と保全

コガタペンギンは、種全体としてはIUCNレッドリストで「軽度懸念(LC)」とされています。しかし、地域によっては数を大きく減らしているコロニーもあります。そのため、繁殖地では犬の立ち入りを制限したり、巣を守ったりする取り組みが進められています。こうした地道な保護活動が、各地の小さな個体群を守るうえで重要になっています。

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参考

  • IUCN Red List: Eudyptula minor(軽度懸念LC)
  • Animal Diversity Web「Eudyptula minor」(最も夜行性のペンギン/上陸パレードは朝と同じ仲間と組む・多彩な威嚇行動/もぐりは多くが水深5m以内・最大67m/繁殖期は岸から8〜9km)
  • Wikipedia「Little penguin」英語版(世界最小・青い羽=メラノソーム/夜行性・巣穴/フィリップ島のペンギンパレード/ハネジロ・NZと豪の分類/浅い潜水・食性)

画像出典

アイキャッチ画像: JJ Harrison, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

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